いまさら聞けないWebマーケティング用語 集担当者がつまずきやすい言葉を整理

目次

いまさら聞けないWebマーケティング用語とは?この記事の狙い

「webマーケティング 用語 分からない」と感じたときに読むページ

Webマーケティングの現場では、横文字と略語が次々と登場します。
「なんとなく意味は分かるけれど、人には説明できない」「会議で飛び交う単語を検索しながら聞いている」という方も多いのではないでしょうか。

さらに厄介なのは、用語が単体ではなく「チャネル × 施策 × 指標 × ツール」がセットで登場することです。

  • 例1:
    「今期はSEOとリスティングのCPAを見ながら、コンテンツマーケでLTVを伸ばしたい」
  • 例2:
    「P-MAXに切り替えたので、CV計測はGA4のイベントベースに合わせてアトリビューションを見直しましょう」

このような会話は、一つひとつの単語だけでなく、「それが全体のどこに位置する用語なのか」を押さえておかないと理解しづらくなります。

この記事は、そんな「webマーケティング 用語 分からない」と感じている方向けに、

  • 担当者がつまずきやすい用語だけを
  • できるだけかみ砕いて
  • 「実務でどう使うか」まで含めて
  • 関連する仕組みや周辺キーワードも軽く押さえられるように

整理することを目的としています。

この記事で扱う用語の範囲と読み方ガイド

扱うのは、次のようなカテゴリの用語です。

  • 全体像・基本:Webマーケティング/チャネル/施策/KPI など
  • 指標・数字:PV・UU・CV・CTR・CPA・LTV・DAU/MAU など
  • 検索系:SEO・SEM・リスティング広告・クローラー など
  • 広告系:ディスプレイ広告・SNS広告・ターゲティング など
  • コンテンツ/SNS:コンテンツマーケティング・UGC・インフルエンサー など
  • 改善・分析:CRO・A/Bテスト・ファネル など
  • データ/テクノロジー:Cookie・CDP・MA・サーバーサイド計測 など
  • グレーゾーン:ステマ・ブラックハットSEO など

実務では、このほかにも

  • 組織・戦略寄り:オウンドメディア戦略、ABM(アカウントベースドマーケティング)、オムニチャネル
  • データ寄り:トラッキング、アトリビューション、LTV予測、マーケティングミックスモデリング(MMM)

といった用語も出てきますが、まずは「日常会話で頻出する言葉」から押さえていくことを優先します。

すべてを暗記する必要はありません。
自分の仕事内容に近い章から読み、分からない用語が出たときに戻ってくる「辞書」のように使っていただくイメージです。
後から範囲を広げていく「スパイラル式」で触れていくと、自然と全体像がつながってきます。


Webマーケティングの全体像と基本用語

Webマーケティングとは何をする仕事か

Webマーケティングとは、

「Webやアプリを使って、見込み顧客を集め、育て、売上や成果につなげるための活動」

を設計し、実行・改善していく仕事です。

オフラインのマーケティング(テレビCM・チラシなど)と異なる点は、主に次のとおりです。

  • ユーザーの行動がほぼすべて数字(ログ)として残る
  • その数字をもとに、ほぼリアルタイムで改善サイクルを回せる
  • 1人ひとりに合わせた「パーソナライズ」が行いやすい

具体的な業務としては、次のようなサイクルになります。

  • どのチャネル(検索・広告・SNS・メールなど)を使うかを決める
  • それぞれでどんな施策(広告配信、記事制作、メルマガなど)を行うか設計する
  • 成果を測るためのKPI(指標)を決め、数字をモニタリングする
  • 結果を見て、改善案を考え、テストしていく

この記事で扱う用語の多くは、この「チャネル × 施策 × KPI × 改善サイクル」のどこかに位置づくものだと捉えると整理しやすくなります。

「チャネル」「施策」「KPI」の違い

よく一緒に出てくる3つの言葉を整理します。

チャネル(Channel)

お客さまと接点を持つ「経路」のことです。

  • 例:検索エンジン、SNS(X、Instagram)、YouTube、メール、LINE、バナー広告、アプリ内通知 など

会社によっては「タッチポイント」「メディア」といった似た言葉も使います。

施策(Action / Tactic)

各チャネルで「具体的に何をするか」です。

  • 検索チャネル
    → SEO対策、リスティング広告、コンテンツSEO
  • SNSチャネル
    → 公式アカウント運用、キャンペーン企画、インフルエンサー施策
  • メールチャネル
    → ステップメール、カート落ちメール、休眠顧客向けメール など

施策は、チャネルとKPIが決まってはじめて「打ち手」として意味を持ちます。

KPI(Key Performance Indicator)

成否を測るための「重要指標」です。

  • 例:セッション数、CV数、CVR、CPA、売上、LTV、DAU/MAU など

売上・利益などの大きな目標を分解し、「チャネル別」「施策別」にブレイクダウンしたものがKPIになります。
この3つを混同しないだけで、会議での話がかなり整理されて聞こえるようになります。

さらに一歩進めると、「KGI(最終目標:売上・利益など)」と「KPI(途中の指標)」を分けて整理できると、施策設計がぐっとやりやすくなります。

よく出てくる横文字の整理(リード/CV/KPI/LTV)

リード(Lead)

「見込み顧客」のことです。
名前・メールアドレス・会社名など、連絡先情報を取得できた相手を指すことが多く、BtoBでよく使います。

さらに細かく分けて、次のように分類する会社もあります。

  • MQL(Marketing Qualified Lead:マーケティングが育成したリード)
  • SQL(Sales Qualified Lead:営業が商談対象と判断したリード)

CV(コンバージョン:Conversion)

「最終的にしてほしい行動」のことです。

  • 例:商品購入、資料請求、無料会員登録、問い合わせ送信、アプリインストール など

何をCVと定義するかは、サービスやキャンペーンごとに決めます。
「どこまでをCVとするか」でCPAの数字が大きく変わるため、社内での定義をそろえておくことが重要です。

KPI

前述のとおり、「目的達成の度合いを測る主要な指標」です。
CV数、CVR、CPA などが代表的なKPI候補になります。

検索流入を増やすフェーズなら「セッション数」、LTV重視フェーズなら「継続率」「アップセル率」など、状況に応じて変わります。

LTV(顧客生涯価値:Life Time Value)

「1人の顧客が、生涯を通じて自社にもたらす利益(または売上)の総額」です。
サブスクやアプリ、ECで重視されます。

  • 例:月額3,000円のサブスクを平均20か月継続してくれる人のLTVは
    3,000円 × 20か月 = 6万円 といったイメージです。

実務では、「LTV > 顧客獲得コスト(CPA)」をどれだけ大きくできるかが、ビジネスの持続可能性を左右します。


指標・数字まわりの基本用語

アクセス数の基本:PV/UU/セッション/直帰率

PV(ページビュー)

ページが表示された回数です。
1人が1回の訪問で3ページ見たらPV=3となります。
コンテンツマーケティングやオウンドメディアの「読まれ方」の粗い指標として使われます。

UU(ユニークユーザー)

一定期間内に訪れた「人数」です。同じ人が何度来ても1人としてカウントします。
「どれくらいの人にリーチできているか」を見るときの基礎データになります。

セッション

「訪問」の単位です。
一般的には「一定時間(例:30分)以内の一連の行動」を1セッションとみなします。
同じ人が午前と午後にサイトを見に来ると、セッションは2になります。

広告の流入効果を見るときは、「広告経由セッション数」を基準にCVRを計算するのが一般的です。

直帰率(Bounce Rate)

1ページだけ見てサイトを離れたセッションの割合です。
入口ページの内容とユーザーの期待のマッチ度が低いと高くなります。

ただし、1ページで用が足りる情報サイト(例:店舗の営業時間ページなど)では、直帰率が高くても必ずしも悪いとは限らない点に注意が必要です。

成果の基本:CV(コンバージョン)/CVR/離脱率

CV(コンバージョン)

ゴールとなる行動そのものです。
GA4などのツールでは「コンバージョンイベント」として設定しておきます。

CVR(コンバージョン率)

CVに至った割合です。一般的には次のように計算します。

  • 「CV数 ÷ セッション数」または「CV数 ÷ ユーザー数」

広告運用では「CVR × CTR × インプレッション数」でCV数が決まるイメージを押さえておくと、施策の組み立てがしやすくなります。

離脱率(Exit Rate)

あるページが「最後のページ」になった割合です。
サイト全体の中で、特定ページがどれくらい“出口”になっているかを示します。

お申し込みフォームの途中ページの離脱率が高ければ、「フォーム項目が多すぎるのではないか」といった仮説が立てやすくなります。

広告レポートで必ず出る指標:CTR/CPC/CPA/ROAS/ROI

インプレッション(Imp)

広告が表示された回数です。これを前提に、以下の指標が計算されます。

CTR(Click Through Rate:クリック率)

「クリック数 ÷ インプレッション数」です。広告がどれくらいクリックされやすいかを表します。
タイトルや画像などクリエイティブ、ターゲティングの良し悪しが反映されます。

CPC(Cost Per Click:クリック単価)

「広告費 ÷ クリック数」です。1クリック獲得するのにいくらかかったかを表します。
入札単価や競合状況、品質スコア(広告の関連性など)に影響を受けます。

CPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価)

「広告費 ÷ CV数」です。1件の成果(CV)を獲得するのにいくらかかったかを表します。
短期的な広告評価の中心となる指標で、目標CPAを設定して自動入札させるケースも増えています。

ROAS(Return On Ad Spend:広告費用対効果)

「売上 ÷ 広告費 × 100(%)」で表すことが多い指標です。
広告費100万円に対して売上400万円ならROASは400%となります。
CPAより「売上」を重視したいECなどでは、ROASベースで広告最適化を行います。

ROI(Return On Investment:投資対効果)

広告費だけでなく、人件費や制作費なども含めた投資全体に対する利益率です。
広告担当レベルではROASで評価されることが多く、ROIは事業・経営レベルで見ることが多い指標です。

「ROASは良いが、制作コストと人件費を含めるとROIはイマイチ」というケースもあるため、レイヤーによって見る指標が違う点は押さえておきましょう。

サービス運営で出てくる指標:DAU/WAU/MAU/リテンション

アプリやWebサービスの「使われ続けている度合い」を見る指標です。

  • DAU(Daily Active Users):1日に利用したユーザー数
  • WAU(Weekly Active Users):1週間に利用したユーザー数
  • MAU(Monthly Active Users):1か月に利用したユーザー数

これらを組み合わせて、次のような指標も見ていきます。

  • DAU/MAU比(スティッキネス:どれだけ頻繁に使われているか)
  • 継続率(翌週・翌月も使ってくれているか)

リテンション(Retention)

「継続利用率」のことです。

  • 例:1月1日に登録したユーザーのうち、1月8日時点で何%がまだ使っているか

LTVやサブスクビジネスの安定性に直結するため、広告CPAとセットで追うことが増えています。

どこまで分かっていれば「話についていけるレベル」か

まずは次を押さえておくと、会議で迷子になりにくくなります。

  • アクセス系:PV/セッション/UU/直帰率
  • 成果系:CV/CVR/離脱率
  • 広告系:インプレッション/CTR/CPC/CPA/ROAS
  • サービス系:DAU/MAU/リテンション

これらの「定義」と「おおまかな計算式」さえ分かれば、広告レポートやGAの画面を見ても不安はかなり減ります。
余裕が出てきたら、「LTV」「ROI」「アトリビューション」など、もう一段先の指標に手を伸ばすと、中長期視点での議論にも参加しやすくなります。


検索まわりの用語:SEO・SEM・リスティング広告

SEOとSEMの違い:混同しがちな3つの言葉

SEO(Search Engine Optimization)

検索結果の「広告ではない部分(自然検索)」で上位表示されるように、サイトやコンテンツを最適化することです。

  • 内部施策:サイト構造、タイトルタグ、内部リンクなど
  • 外部施策:被リンク獲得、ブランド認知など

検索広告(リスティング広告)

検索結果ページの「広告枠」に表示される有料広告のことです。クリック課金(PPC)が一般的です。
入札と広告文の工夫で、狙ったキーワードの上位に表示させるイメージです。

SEM(Search Engine Marketing)

本来は「検索エンジンを使ったマーケティング全体」を指す言葉で、「SEO+検索広告」を含む広い概念です。
日本では「SEM=検索広告」と誤用されることも多いため、文脈を確認する必要があります。

戦略会議では「検索をどう使うか(SEM全体)」、運用現場では「SEO」「リスティング」と分けて話すのが一般的です。

自然検索まわりの基本:クローラー/インデックス/メタタグ/タイトルタグ

クローラー(Crawler)

Googleなどの検索エンジンがWebサイトを自動的に巡回するプログラムです。
新しいページや更新を見つけ、情報を収集します。
robots.txtやnoindexタグで、クロールやインデックスを制御することもあります。

インデックス(Index)

クローラーが集めた情報を、検索エンジンのデータベースに登録すること/された状態を指します。
インデックスされていないページは検索結果に表示されません。

「まずインデックスされること」「次に順位を上げること」という2段階があると理解しておくと整理しやすくなります。

メタタグ(Meta Tag)

HTML内に書く「ページの情報」を検索エンジンやSNSに伝えるためのタグです。

  • 代表例:meta description(検索結果に出る説明文)、meta robots(インデックス可否の指示)など

クリック率やインデックス状況に影響するため、SEOの基本設定として重要です。

タイトルタグ(Title Tag)

検索結果に表示される「ページタイトル」を指定するHTMLタグです。
検索順位やクリック率に強く影響するため、SEOにおいて最重要の要素の一つです。

「キーワードを盛り込みつつ、ユーザーがクリックしたくなるタイトルにする」というバランスがポイントです。

広告まわり:リスティング広告/PPC/キーワード/入札単価

リスティング広告

検索結果ページ上に表示される、テキスト形式の検索連動型広告のことです。
現在はショッピング広告や電話広告などバリエーションも増えていますが、基本は「キーワード × テキスト」で構成されます。

PPC(Pay Per Click)

クリックされるごとに課金される広告の料金形態の総称です。
検索広告もSNS広告も、多くがPPCです。

「表示されるだけでは課金されない」という特徴があり、認知向けにも獲得向けにも使いやすいモデルです。

キーワード

ユーザーが検索窓に入力する語句です。広告では「このキーワードで検索されたときに広告を出す」と指定します。

キーワード選定は、「ユーザーのニーズ」と「自社の強み」が交わるポイントを見つける作業とも言えます。

入札単価(Bid)

「そのキーワードで1クリックに対して、最大いくらまで支払うか」という上限額です。
広告枠の表示順位は、入札単価 × 広告の品質などで決まります。

近年は、目標CPAや目標ROASを指定して「入札は機械学習に任せる」運用が主流になっています。

担当者が押さえておきたいポイント

  • 「SEM=SEO」と思い込まない(本来はSEO+検索広告を含む概念)
  • SEOは「無料で集客できる魔法」ではなく、コンテンツ制作や技術対応にしっかりコストと時間がかかること
  • 検索広告では、「キーワード選定」「入札単価」「広告文」がセットで成果を左右すること
  • 検索は「顕在ニーズを取りに行くチャネル」であり、LTVやブランド戦略とセットで考えると、短期CPAだけに振り回されにくくなること

このあたりを理解しておくと、代理店との会話でもズレが減ります。


広告まわりの用語:ディスプレイ・SNS・自動化キャンペーン

バナー/ディスプレイ/アドネットワークの整理

バナー広告

画像や動画の形式で表示される広告全般を指す口語的な呼び方です。
正式な配信メニュー名ではなく、「見た目」のイメージに近い言葉です。

ディスプレイ広告

Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像・動画・テキスト広告の総称です。
Google ディスプレイネットワーク(GDN)などが代表例です。

検索広告と違い、「何かを検索していないタイミング」にもリーチできるため、認知や興味喚起に向いています。

アドネットワーク

多くのサイトやアプリの広告枠を束ねて、一括で広告を配信できるネットワークのことです。
媒体を一つひとつ個別に買い付けるのではなく、「ネットワーク単位」で配信と最適化ができるのが特徴です。

最近は、さらに進んだ形として「DSP/SSP(プログラマティック広告)」という用語も出てきますが、まずは「アドネットワーク=いろんなサイトの枠をまとめた配信網」と理解しておけば十分です。

SNS広告でよく出る用語:オーディエンス/インプレッション/エンゲージメント

オーディエンス(Audience)

広告の「配信対象となるユーザーの集まり」です。

  • 例:25〜34歳・東京在住・子育てに関心あり、などの条件で絞ったユーザー群

自社サイト訪問者や顧客リストを元に「カスタムオーディエンス」を作ることもできます。

インプレッション(Imp)

広告が表示された回数です。SNS広告でも同じ意味で使います。
SNS運用では、「投稿インプレッション」「広告インプレッション」を分けて見ることもあります。

エンゲージメント(Engagement)

SNS上での「反応」の総称です。

  • 例:いいね、コメント、シェア、保存、クリックなど

ブランド認知や好意度を測る「間接指標」として使われます。

Google広告の基本構造:キャンペーン/広告グループ/P-MAX

キャンペーン

予算、配信先、目的(サイト流入、CV獲得など)などの「大枠設定」です。
「検索キャンペーン」「ディスプレイキャンペーン」など、チャネルごとに分かれます。

広告グループ

キーワードやターゲット、入札単価をまとめる「中間の箱」です。
似た内容のキーワードや訴求を1グループにして管理します。

グループごとに「どの訴求が効いているか」を比較できるようにするための単位です。

広告(クリエイティブ)

実際にユーザーに表示されるテキスト・画像・動画などです。
見出し、説明文、画像、リンク先URLなどで構成されます。

P-MAX(Performance Max)

Googleが提供する「自動化キャンペーン」です。
検索・ディスプレイ・YouTube・Gmailなど、複数チャネルをまたいでAIが最適化します。

クリエイティブやオーディエンスのヒントを入れると、あとは機械学習が配信面や入札を自動調整してくれるイメージです。

「ターゲティング」「セグメント」「リマーケティング」の違い

ターゲティング

広告を「誰に見せるか」を決めること全般です(年齢・地域・興味関心など)。
「ターゲティング精度が高い=無駄打ちが少ない」状態だと考えると分かりやすいです。

セグメント(Segment)

ユーザーを条件ごとに「グループ分け」した単位を指します。

  • 例:新規ユーザー/既存ユーザー/カート放棄ユーザー など

分析の場面でも「セグメント別CVR」「セグメント別LTV」などと使います。

リマーケティング(リターゲティング)

一度でもサイトに来た人、商品を見た人などを「追いかけて」再び広告を出す手法です。
「過去に接触したことがあるユーザー」というセグメントに対するターゲティングと言えます。

一般的に、新規配信よりもCVRが高くなりやすい一方、やりすぎるとユーザー体験を損ねるので頻度コントロールも重要です。


コンテンツ・SNS運用で出てくる用語

コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い

コンテンツマーケティング

有益な情報コンテンツ(記事、動画、ホワイトペーパーなど)を継続的に発信し、見込み顧客との関係を育てていく長期的なマーケティング手法です。
「すぐ売る」よりも、「信頼を積み重ねて最終的に選ばれる」ことを狙います。

コンテンツSEO

特に「検索で上位表示されること」を狙って、コンテンツを企画・制作・最適化することにフォーカスした施策です。
コンテンツマーケティングの一部と考えると分かりやすくなります。

  • キーワード調査
  • 検索意図の分析
  • 見出し構成の最適化

など、検索エンジン視点の設計が色濃くなります。

オウンドメディア/ペイドメディア/アーンドメディア

オウンドメディア(Owned Media)

自社が保有・運営するメディアです。自社サイト、ブログ、公式SNS、メールマガジンなどが該当します。
一度育つと、広告依存度を下げられる資産になります。

ペイドメディア(Paid Media)

お金を払って利用するメディアです。各種広告枠、タイアップ記事、インフルエンサーへの有償依頼などが含まれます。
即効性が高い一方、やめれば止まる「蛇口型」の集客です。

アーンドメディア(Earned Media)

ユーザーや第三者から「評判」を得るメディアです。口コミサイト、SNSでの自然な投稿、レビュー記事などが該当します。
広告では買えない信頼を生む一方、コントロールが難しい側面もあります。

3つを組み合わせた「PESOモデル(Paid/Earned/Shared/Owned)」というフレームもあり、ブランド戦略全体を考えるときに使われます。

SNS運用で出る用語:UGC/インフルエンサー/エンゲージメント率

UGC(User Generated Content)

ユーザーが自発的に作るコンテンツです。

  • 例:商品レビュー、口コミ投稿、ハッシュタグ付きの写真投稿など

企業発信よりも信頼されやすく、コンテンツマーケティングの「燃料」として重視されています。

インフルエンサー

SNS上で多くのフォロワーと影響力を持つ個人(またはアカウント)のことです。
フォロワー数だけでなく、「そのテーマでどれだけ信頼されているか」が成果に直結します。

エンゲージメント率

「エンゲージメント数 ÷ インプレッション数(またはフォロワー数)」で算出します。
投稿がどれくらい「反応されやすいか」を表します。

広告ではクリック率、オーガニック投稿ではエンゲージメント率を見る、といった使い分けが多いです。

「バズ」「バイラル」「シェアされる」の意味

バズる

SNSやネット上で急速に話題が広がり、大量のアクセスや反応が集中する状態です。
一時的なスパイクで終わることも多く、「売上やLTVにどうつなげるか」は別途設計が必要です。

バイラル(Viral)

「ウイルスのように広がる」という比喩で、「ユーザー同士のシェアによって拡散していく仕組み・現象」のことです。
バイラル性の高いプロダクトやキャンペーンは、広告費をあまりかけずに広がります。

シェアされる

単に「共有される」行為自体を指します。
バズやバイラルは、シェアが連鎖的に起きた結果の「状態」と考えると整理しやすくなります。

「シェアしたくなる必然性(価値・感情・自己表現)」を設計することが、SNSマーケティングの重要なポイントです。


改善・分析で出てくる専門用語

CRO(コンバージョン率最適化)とは

CRO(Conversion Rate Optimization)は、サイトやLPの「CVR(コンバージョン率)」を上げるための一連の取り組みです。

具体的には、次のような改善を行います。

  • ファーストビューの見せ方を変える
  • フォームの項目数を減らす
  • CTA(ボタン)の文言や色を変える
  • 動線を整理する
  • 証拠(事例・レビュー・実績)を追加する
  • スマホ表示の快適さを改善する(レスポンシブ対応・読み込み速度改善など)

「同じアクセス数でも、より多くの人にCVしてもらう」ための改善を行うイメージです。

広告費を増やさずに成果を伸ばせるため、CPAが高騰しがちな現在の環境では非常に重要な領域です。

A/Bテスト/多変量テスト/テスト設計の基本

A/Bテスト

ある要素を変えた2パターン(AとB)を用意し、どちらがより成果が高いかを比較するテスト手法です。

  • 例:ボタンの文言を「無料で試す」と「今すぐ登録」に変えて比較する

多変量テスト

見出し・画像・ボタンなど、複数の要素を同時に変えて、組み合わせの中から最適なパターンを探るテストです。
一度に多くを試せますが、必要なサンプル数が増えるため、トラフィックの多いサイト向けです。

サンプルサイズ/有意差

テスト結果を「たまたま」ではなく「本当に差がある」と言えるかどうかを判断する統計的な概念です。

実務では「一定量のアクセスとCVがたまってから判断する」くらいの理解でスタートして問題ありません。
「2〜3日で少数のCVだけ見て判断してしまう」のは、CROでありがちな失敗パターンです。

解析ツールの基本用語:イベント/コンバージョン/アトリビューション

イベント

サイトやアプリ上の「特定の行動」の記録です。

  • 例:ページ閲覧、スクロール、ボタンクリック、動画再生など

GA4では、従来の「ページビュー中心」から「イベント中心」の計測に変わっています。

コンバージョン(GA4内の意味)

イベントのうち、「成果としてカウントしたい行動」を指定したものです。

  • 例:購入完了、フォーム送信完了などをコンバージョンイベントとして設定

GA4で「何をコンバージョンにするか」を決めておかないと、広告の最適化も正しく働きません。

アトリビューション(Attribution)

どのチャネル・どの接点を「成果貢献」として評価するか、という考え方です。

  • 例:検索広告 → サイト訪問 → 数日後に指名検索からCV
    この場合、どこにどのくらい貢献度を割り当てるか、という議論になります。

「ラストクリックだけを見ると検索ブランド流入が強く見えすぎ、上流のディスプレイやSNSの貢献が見えづらくなる」という課題から生まれた概念です。

「ファネル」「カスタマージャーニー」という考え方

ファネル(Funnel)

顧客が「認知 → 興味 → 比較検討 → 購入」と進むにつれ、数が減っていく様子を「漏斗(ろうと)」のように表現したモデルです。
どの段階で落ちているかを把握し、対策を考えるのに使います。

  • 例:LPの遷移率、フォームの入力完了率などを「ファネルとして可視化」することで、CROの打ち手を決めやすくなります。

カスタマージャーニー(Customer Journey)

顧客が商品を知り、興味を持ち、比較し、購入し、その後も利用し続けるまでの「体験の流れ」を時系列にマッピングしたものです。
どこでどんな情報・接点が必要かを整理するために使われます。

Webだけでなく、オフライン接点(店舗、営業、イベント)も含めて描くと、施策の「抜け漏れ」が見えやすくなります。


データ・テクノロジー寄りの用語

Cookie/トラッキング/サーバーサイド計測の違い

Cookie(クッキー)

Webサイトがブラウザに保存する小さなデータです。
「同じ人かどうか」「ログイン状態かどうか」などを識別するために使われます。

広告でよく問題になるのは、他サイトをまたいでユーザーを追跡する「サードパーティCookie」で、各ブラウザや法規制により制限が強まっています。

トラッキング

ユーザーの行動を追跡・記録することの総称です。Cookie以外の技術(端末ID、ログインIDなど)も含みます。
「計測タグを設置する」「ピクセルを入れる」といった表現も、広い意味ではトラッキングの一種です。

サーバーサイド計測

従来はブラウザ(ユーザー側)で計測タグを動かしてデータを送っていましたが、それを自社サーバー側で処理する方法です。
Cookie制限への対応や、計測精度向上のために注目されています。

  • 例:サーバーサイドGTM、コンバージョンAPI など

CDP/MA/CRM:似たようなツールの役割と違い

CRM(Customer Relationship Management)

顧客情報を管理し、営業・サポート・マーケティングで活用するための仕組み/ツールです。

  • 例:Salesforce、kintone など
    「顧客台帳+コミュニケーション履歴」に近いイメージです。

MA(Marketing Automation)

見込み顧客へのメール配信、スコアリング、ナーチャリング(育成)など、マーケティング活動を自動化・効率化するツールです。

  • 例:HubSpot、Marketo など
    「どの行動をした人に、どのメールを、いつ自動で送るか」といったルールを設定しておきます。

CDP(Customer Data Platform)

Webアクセス、アプリ利用、購買履歴など、バラバラな顧客データを1つのIDに統合し、分析やパーソナライズ配信に使える形で管理するための基盤です。
「広告用のオーディエンスを作る」「LVT分析をする」といった用途で使われます。

ざっくり言うと、次のようなイメージです。

  • CRM:顧客「管理」のハブ
  • MA:マーケの「自動化」エンジン
  • CDP:顧客データの「統合倉庫」

中〜大規模になるほど、これらをどう連携させるかがマーケティング基盤づくりのテーマになります。

機械学習・AIまわりの用語:入札自動化/レコメンド/パーソナライズ

入札自動化

広告の入札単価を、人手ではなくAIが自動で調整する機能です。

  • 例:目標CPA、目標ROASなどの自動入札

機械学習が「どのユーザーはCVしやすいか」を予測し、そのユーザーには高めに入札するといった最適化を行います。

レコメンド(Recommendation)

「あなたへのおすすめ」として、商品やコンテンツを自動表示する仕組みです。
購入履歴や閲覧履歴を元に、機械学習が最適な候補を提示します。

ECサイトや動画配信サービスなどで、LTV向上に大きく貢献する領域です。

パーソナライズ(Personalization)

ユーザーごとに表示内容を変えること全般を指します。

  • 例:ログインユーザーごとに異なるトップページ、メールの内容の最適化など

「誰に、いつ、何を見せるか」をデータに基づいて変えることで、CVRやリテンションの向上を狙います。

プライバシー・規制まわりの用語:GDPR/同意管理/ゼロパーティデータ

GDPR(General Data Protection Regulation)

EUの「一般データ保護規則」です。個人データの取り扱いについて厳格なルールを定めています。
世界中のWebサービスが影響を受けており、日本でも個人情報保護法などがあるため、「EUだけの話」ではなくなっています。

同意管理(Consent Management)

Cookieやトラッキングについて、ユーザーから明確な同意を取得し、その選択を管理する仕組みです(クッキーバナーなど)。
どの目的(解析/広告など)に同意してもらったかを記録し、その範囲内でのみデータを扱う必要があります。

ゼロパーティデータ(Zero-Party Data)

ユーザーが「自分の意思で」「積極的に」提供した情報のことです。

  • 例:アンケートで答えてくれた興味・嗜好、プロフィール入力など

プライバシー規制が強まる中、信頼関係を前提にしたこのデータの価値が高まっています。
LTVを伸ばしたい企業ほど、「どうゼロパーティデータを集め、価値ある体験に還元するか」がテーマになりつつあります。


グレーゾーンに感じるマーケティング用語

ステルスマーケティング(ステマ)はどこからがNGか

ステルスマーケティング(ステマ)

「広告であることを隠して、あたかも中立的な情報や個人の感想のように装って宣伝すること」です。

典型的なNG例は次のとおりです。

  • 企業から報酬を受け取っているのに、広告・PR表記をせずに紹介する
  • 企業が自ら一般人を装って口コミを書き込む
  • レビューを「やらせ」で水増しし、自然な評価であるように見せかける

多くのプラットフォームや業界団体がガイドラインを出しており、法的にも問題になるケースがあります。
短期的にCVや売上が上がっても、中長期的にはブランド毀損・炎上・法的リスクのほうが大きくなると考えておくべき領域です。

タイアップ/PR記事/広告表記の基本

タイアップ広告

メディアと広告主が協力して作る記事・動画などです。
「広告」「PR」「Sponsored」といった表記を明確に入れる必要があります。

メディア側の編集力を活かせる一方、「広告であることの透明性」が最重要ポイントになります。

PR記事

広告主の意向に基づいて作られた記事コンテンツです。これも広告であることを明示する必要があります。
文章トーンや構成は通常の記事に近くても、ユーザーが「これは広告だ」と認識できることが必須条件です。

ユーザーが「これは広告だ」と分かるようにするのが、最低限のルールです。
近年はインフルエンサー投稿にも「#PR」などの表記義務が強まっているため、SNS施策でも同じ意識が必要です。

ブラックハットSEO・炎上マーケティングなど「やってはいけない」用語

ブラックハットSEO

検索エンジンのガイドラインに反する方法で、短期的に順位を上げようとする行為です。

  • 例:自作自演リンクの大量取得、キーワード詰め込み、隠しテキストなど

発覚すると、検索順位の大幅下落やインデックス削除などのペナルティを受けます。
長期的に見ると「一度のペナルティで事業が傾く」レベルのリスクもあるため、避けるべき手法です。

炎上マーケティング

あえて炎上しそうな表現や企画を打ち出し、話題化・注目を狙う手法です。
短期のアクセス増と引き換えに、ブランド毀損のリスクが非常に高く、長期的にはマイナスになることがほとんどです。

「炎上商法がうまくいった」というストーリーは目立ちますが、表に出ない多数の失敗例があると考えたほうが健全です。


仕事で恥をかかないための用語との付き合い方

社内で定義をそろえておくべき用語リスト

特に社内で意味をそろえておかないと混乱しやすいのは、次のような用語です。

  • 「CV」を何と定義するか(購入/問い合わせ/会員登録 など)
  • 「新規ユーザー」とは何か(初回訪問か、初回購入か)
  • 「UU」「セッション」のどちらを基準に話すのか
  • 「LTV」の計算期間・計算式
  • 「CPA」に含めるコストの範囲(広告費のみか、制作費も含めるか)
  • 「リード」の定義(名刺交換レベルか、フォーム入力完了か)
  • 「アクティブユーザー」をDAU/WAU/MAUのどれで定義するのか
  • 「オウンドメディアのKPI」をPVなのかCVなのか、どの指標で見るのか

プロジェクトごと・部署ごとに解釈がバラバラだと、レポートや議論がかみ合わなくなってしまいます。
簡単な用語集を社内で共有しておくと安心です。

その際、「自社の定義」と「一般的な定義」の両方を書いておくと、新メンバーのオンボーディングにも役立ちます。

分からない用語に出会ったときの調べ方・聞き方

  • まずは「用語+意味」「用語+とは」で検索してみる
    → おおまかな定義は分かります。
  • そのうえで、「この会社(この部署)ではどう使っているのか」を確認する
    → 同じ用語でも、運用ルールが独自のことが多いです。
  • 聞くときは、「検索してこういう意味だと理解したのですが、社内ではどう扱っていますか?」と聞く
    → 何も調べていない印象を減らしつつ、社内定義を確認できます。
  • 指標系の用語は、「分母・分子」「対象期間」「対象チャネル」をセットで聞く
    → 例:「このCPAは広告費だけですか?制作費も入っていますか?」など。

「分からない」を減らすためのチェックリスト(ダウンロード想定)

実際にシート化する前提で、項目のイメージだけ列挙します。

基本編

Webマーケ担当として、以下の用語の定義を説明できる状態を目指します。

  • チャネル/施策/KPI
  • PV/UU/セッション/直帰率
  • CV/CVR/CPA/ROAS
  • DAU/MAU/リテンション

検索・広告編

  • 自社で使っているチャネル(SEO/検索広告/ディスプレイ/SNS)を列挙できる
  • それぞれの主要KPI(何を成果と見なすか)を書き出せる
  • 「どの指標をどのツールで見るか」(GA4・広告管理画面・BIツールなど)を整理できている

コンテンツ/SNS編

  • 自社のオウンドメディアとSNSアカウントを整理できている
  • UGCの活用有無とルールが分かる
  • インフルエンサー施策の有無と、広告表記(#PRなど)の方針を把握している

改善・分析編

  • CVの定義と計測ツール(GA4、広告管理画面など)を把握している
  • 直近3か月で実施した改善施策と、その前後の数字を説明できる
  • ファネル図を1つ書いて、「どの段階で何%落ちているか」を説明できる

データ・ルール編

  • 自社サイトのCookie/同意取得の方針を把握している
  • ステマ・広告表記の社内ルールを確認している
  • 個人情報・プライバシー関連で、マーケティングに特に関係するルールがどこに書いてあるか(社内ポリシーの場所)を把握している

このあたりを一度整理しておくと、「用語が分からない」状態から、「自社なりの言葉で説明できる」状態に近づきます。
用語はあくまで道具なので、「意味が分かる → 使い分けられる → 人に説明できる」の3段階を、少しずつ登っていくイメージで付き合っていくことをおすすめします。

この記事のまとめ:用語への苦手意識を「地図」でほぐす

この記事で扱ったのは、「専門用語を丸暗記すること」ではなく、日々の会話やレポートを理解するための“地図”づくりでした。
チャネル/施策/KPIといった枠組みを押さえたうえで、PV・CV・CPA・LTVなどの指標、SEOやリスティング、ディスプレイ・SNS広告、コンテンツ・SNS運用、CROやA/Bテスト、Cookie・GA4・CDPといった計測・データ関連までを一通り整理しています。

すべてを一気に身につける必要はありません。自分の担当領域に近い章から読み、分からない単語が出てきたときに戻ってくる「辞書」のような付き合い方で十分です。
併せて、「自社での定義」を周囲とすり合わせておくことで、会議やレポートの齟齬がぐっと減っていきます。

用語への苦手意識は、意味があいまいなまま放置されたときに強くなりがちです。気になったタイミングで一度立ち止まり、この記事の該当箇所を確認する習慣を持てば、少しずつ「話が聞き取れる」「自分の言葉で説明できる」状態に近づいていきます。

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この記事を書いた人

Webマーケティング業界10年以上のフリーランス。
「低コストでも、効果のあるWebマーケティング」をご提供することをモットーに、多岐にわたる業種の会社さまのご支援を行っております。
※2025年1月に法人化しました。