Web集客は「アクセスを増やすこと」だけを追いかけていても、売上や問い合わせに結びつかなければ意味がありません。本記事では、曖昧な目標から抜け出し、KGI・KPIを軸にしたゴール設計によって、どの施策が成果に直結しているのかを見極める考え方を整理します。
「なんとなく集客」から抜け出すために押さえたいポイント
なぜ「なんとなく集客」は危険なのか
目標が曖昧なまま集客施策を行うと、投資対効果が測れず、効果のない施策を繰り返してしまいます。流入は増えても、売上や問い合わせにつながらない「見かけ倒し」の状態になりやすく、特にGoogleなど外部要因に依存したアクセス増は、KGI・KPIと結びついていない限り「一時的な数字遊び」で終わります。
このような状態では、組織としての学びが蓄積されず、リソースだけが消耗されます。その結果、アルゴリズム変動や広告費高騰が起きたときに、一気に成果が失速してしまいます。
Web集客の成果が頭打ちになるよくあるパターン
Web集客の成果が伸び悩む要因として多いのは、次のようなパターンです。
- PV偏重で「数を見るだけ」で終わっている
- 複数のゴールが混在しており、評価軸がバラバラ
- KPIを設定しないまま運用を続けている
「記事を増やせばなんとかなる」「とりあえずSNSもやる」とチャネルだけを広げる一方で、問い合わせ数・CVR・CPAといった“成果に近い指標”を見ていないケースが典型例です。
この状態では、どの施策がKGIに貢献しているのか判断できず、導線の問題、コンテンツの質、ターゲットの不一致など、成果が伸びない原因も特定できません。
「ゴール設計」があるケースとないケースの違い
ゴール設計がある場合は、指標を追いながら改善を回せるため、施策の優先順位が明確になります。「今期は検索流入10万PV・CVR5%で問い合わせ◯件」など、KGI→KPI→施策が一本の線でつながることで、PDCAを回しやすくなります。
一方でゴール設計がない場合は、手当たり次第の施策にリソースが分散し、「アクセスは伸びたが、なぜ売上が変わらないのか」が分かりません。社内の評価軸もバラバラになり、意思決定が属人的になりがちです。
Web集客における「ゴール設計」とは何か
ゴール=KGIとKPIをつないだ「最終到達点」
ゴール設計とは、KGI(最終ゴール)を決め、その達成のために必要なKPIを逆算して紐づけることです。数値同士がつながることで、施策と成果の因果関係が見えるようになります。
たとえば、KGIを「月間問い合わせ30件」とした場合、
「自然検索セッション数」「サービスページ到達率」「フォーム到達率」「CVR」などをKPIとしてブレイクダウンします。これにより、「どの数字を何%改善すればKGIにどれだけ効くか」を定量的に把握できるようになります。
「アクセスアップ」と「ビジネスゴール」は別物
アクセスはあくまで手段であり、目的ではありません。Web集客では、アクセスアップを「上流KPI」、問い合わせ・購入などを「下流KPI」として分けて考え、売上やリード獲得と確実に結びつけることが重要です。
検索流入が増えても、ターゲット外のユーザーばかりを集めていてはKGIには貢献しません。「誰を」「どの検索意図で」集客するのかまで含めて設計する必要があります。
1ページ1ゴールという基本ルール
1ページに複数の目的を詰め込むと、ユーザーは「何をすればよいか」が分からず離脱しやすくなります。そのため、ページごとに1つの行動を促す設計を徹底します。
たとえば次のように、ページごとにゴールを明確にします。
- このページでは「資料請求」
- このLPでは「キャンペーン申込」
- このブログ記事では「関連サービスページへの遷移」
1ページ1ゴールを守ることで導線がシンプルになり、CVRの改善余地も明確になります。
まず決めるべき最終ゴール(KGI)の考え方
あなたのビジネスで「成功」とは何かを言語化する
最終的な成功の定義を、「売上」「月間問合せ件数」「商談化数」などの具体的な数値で設定します。数値化されているほど、運用・改善が行いやすくなります。
たとえば、次のように期間と単位をセットで決めます。
- 「半年以内にWeb経由のリードを月30件」
- 「1年以内にWeb経由売上を月500万円」
「売上アップ」「認知向上」といった抽象的な表現だけでは、どの指標を見ればよいか決まらず、チームで共通のゴールイメージを持つこともできません。
BtoBとBtoCで変わるWeb集客のゴール設計例
業態によって、ゴールまでのプロセスが異なるため、KGI・KPIの設計も変わります。LTV(顧客生涯価値)や再購入率など、中長期の指標も組み込んで設計します。
BtoBの場合
- KGI例:年間商談数◯件、受注数◯件、受注金額◯円
- KPI例:資料ダウンロード数、問い合わせ数、セミナー申込数、商談化率、サイト経由リードの受注率
BtoCの場合
- KGI例:月間売上◯円、購入数◯件、アクティブ会員数◯人
- KPI例:カート投入率、購入完了率、会員登録率、メール開封率、リピート購入率
このように、「顧客がゴールに到達するまでのステップ」が業態ごとに違うため、そのプロセスに合わせてKGI・KPIを設計します。
問い合わせ・資料請求・購入…どれをゴールにすべきか
どの行動をゴールとするかは、顧客の購買プロセスに応じて決めます。認知段階なら資料ダウンロード、中間〜最終段階なら問い合わせや購入などが適切です。
検討プロセスが長いBtoBでは、いきなり「問い合わせ・商談」をゴールにするよりも、「ホワイトペーパーのダウンロード」「ウェビナー申込」といった中間ゴールを挟んだほうがCVRが上がりやすくなります。
一方で、ECサイトのように購買までの期間が短い場合は、「カート投入」「購入完了」を明確なKGI・KPIとして置き、問い合わせはサポート的な位置づけにするなど、業態・単価・検討期間に応じて最適なゴールを設計します。
KGIから逆算するKPIの設計方法
「なんとなくPV」から卒業するための指標の選び方
「PVが増えたかどうか」だけを見るのではなく、成果に近い指標を選ぶことが重要です。たとえば、次のような指標をチャネルごとに分けて確認します。
- 流入経路別セッション数(オーガニック検索、広告、SNSなど)
- 平均滞在時間、ページ/セッション
- CVR(コンバージョン率)、CPA(獲得単価)
これにより、チャネルごとの集客力とコンバージョンの状況が分かり、投資配分や改善対象を明確にできます。KGI達成への寄与度が低い「バニティメトリクス(見栄えだけの数字)」は、優先順位を下げることがポイントです。
ファネルごとに追うべきKPI(認知・興味・検討・行動)
ユーザーの状態を「認知→興味→検討→行動」のファネルで捉え、各段階に対応したKPIを設定します。
- 認知:セッション数、表示回数、新規ユーザー比率、ブランド名検索数
- 興味:滞在時間、ページ/セッション、スクロール率、動画視聴完了率
- 検討:サービスページ閲覧率、資料ダウンロード率、問い合わせ率、比較ページへの遷移率
- 行動:フォーム入力完了率、CVR、CPA、離脱ステップ別のCVR
ファネルごとに「次のステップへ進んだか」を示す指標を置くことで、どこでユーザーが止まっているのか、どこにボトルネックがあるのかを特定しやすくなります。
KPIツリーで「数字のつながり」を見える化する
KGIから主要KPI、補助指標へと分解した「KPIツリー」を作成すると、どの指標を改善すればKGIに効くかが一目で分かります。
例:
| 階層 | 指標 | 役割 |
|---|---|---|
| KGI | 月間問い合わせ30件 | 最終的に達成したいゴール |
| 主要KPI | サービスページ閲覧数 / フォーム到達率 / フォームCVR | KGIに直結する中核指標 |
| 補助指標 | 検索流入セッション数 / 内部リンククリック率 / フォーム入力完了率 | 主要KPIの改善余地を示す指標 |
このようにツリー化することで、「今月は問い合わせが少ない理由が、流入不足なのか、導線の問題なのか、フォームの離脱なのか」を論理的に切り分けて議論できるようになります。
ターゲットと検索意図からゴールを決める
ペルソナの「今の悩み」と「次の一歩」を明確にする
ページのゴールを決める際には、想定するユーザー(ペルソナ)が「今どんな課題を抱えているのか」と「そのページでどんな行動を取りたいと思うのか」を具体的に描きます。
年齢・職種・導入決裁権の有無といった属性だけでなく、
- どのキーワードで検索しているのか
- どの情報を求めているのか
- 検討段階はどこまで進んでいるのか
を想定し、その状態のユーザーにとって自然な“次の一歩”(例:資料請求、比較表のダウンロード、事例ページの閲覧など)をページのゴールとして設定します。
「web集客 ゴール 設計」で検索する人は何を知りたいのか
「web集客 ゴール 設計」と検索するユーザーは、方法論やKPI設計の具体例、実践手順を求めていると考えられます。単に概念を説明するだけでなく、実務レベルで役立つ情報を提供することが重要です。
たとえば、次のような疑問に答えられるコンテンツであることが望まれます。
- 自社のケースにどう当てはめればよいか
- BtoBとBtoCで何が違うのか
- どの指標をどの順番で見ていけばよいのか
- 明日から何を設定・改善すればよいのか
まとめ:KGI・KPIを軸に「なんとなく集客」から抜け出す
本記事では、「なんとなく集客」から抜け出すために、KGI・KPIを軸にしたゴール設計の考え方を整理しました。
ポイントは、アクセス数やPVといった見栄えのよい数字だけを追いかけるのではなく、「自社のビジネスで何を達成したいのか」を数値で定義し、その達成までのプロセスを分解していくことです。KGI(最終ゴール)を起点に、ファネルごとにKPIを設定し、KPIツリーで数字同士のつながりを可視化することで、「どこを改善すべきか」が具体的に見えてきます。
また、ページ単位では「1ページ1ゴール」を徹底し、ペルソナの検索意図と検討段階に合わせて「次の一歩」を設計することが欠かせません。BtoB・BtoC、単価や検討期間によって適切なゴールは変わるため、自社のビジネスモデルに沿って問い合わせ・資料請求・購入などの位置づけを整理していくことが、Web集客を「数字遊び」ではなくビジネス成果につなげる近道になります。
