小さな会社でもできるターゲット設定のシンプルな手順

Web集客で成果が伸び悩んでいる場合、「ターゲット設定」が曖昧なまま施策を進めている可能性があります。なんとなく広く配信しても、広告費ばかり増えて問い合わせや売上に結びつきません。本記事では、小さな会社でも取り組みやすい具体的なターゲット設定の手順と考え方を整理し、「誰に向けたWeb集客か」を明確にするヒントをお伝えします。

目次

「Web集客 ターゲット設定」がうまくいかないと何が起こるのか

よくある失敗パターン

ターゲットが曖昧なままだと、広告やコンテンツが誰にも刺さらず、クリックは増えても問い合わせや売上に繋がりません。キーワードがブレてSEO効果が薄れ、広告費のムダ遣いにもなります。

さらに、誰向けか決め切れていないと、

  • メールの件名やLPの見出しが「ふわっとした表現」ばかりになる
  • 認知は増えても、検討・問い合わせといった次のステップに進まない
  • GA4で見ても「直帰率が高い・滞在時間が短い」状態が続く

といった、ファネル全体のムダ撃ちが起こります。その結果、リード数やMQL数などのKPIも安定しにくくなります。

「とりあえず全部の人向け」が一番危険な理由

全員向けの訴求では差別化ができず、競合との価格勝負になりやすくなるためです。小さな会社はリソースが限られるため、広く浅く配信すると効果が分散してしまいます。

また、「全部の人向け」は6RでいうReach(到達)は一見広がりますが、Resonance(共感)やReaction(反応)が極端に弱くなります。その結果、広告管理画面上はインプレッションやクリックは出ているのに、「問い合わせ」や「売上」といったRevenue(収益)までつながらず、社内から「Webは効果がない」と判断されがちです。

小さな会社こそターゲット設定が武器になる理由

広告費も人も足りないからこそ「絞る」が正解

ターゲットを絞ることで広告費を効率化でき、少ない制作リソースでも深く刺さる訴求を生み出せます。その結果、CVRやLTVの改善が期待できます。

Web集客のフレームワークでいえば、

  • Segmentation(市場の細分化)で「自社が勝てる小さな島」を見つける
  • Targeting(狙う層の選択)で1〜2セグメントに集中する
  • Positioning(ポジション取り)で「このテーマならこの会社」と覚えてもらう

というSTPの流れを、小規模だからこそシンプルに実行しやすい点が強みです。大きな市場の一部でも、きちんとポジションを取れれば、ニッチキーワード経由で安定した集客が見込めます。

大企業の真似をしてもうまくいかない理由

大企業は多層の施策と十分な予算で広くカバーできますが、小規模企業は一つのペルソナで成果を出す方が現実的です。

大企業は例えば、

  • マス向けのブランド広告+指名検索対策
  • 何十ものセグメントに対して、それぞれ専用LPやクリエイティブを用意
  • MAツールを用いた長期ナーチャリング

といった施策を組み合わせることができます。

一方、小さな会社が同じことをすると、どのペルソナにも中途半端な状態になりがちです。まずは「理想顧客(ICP)」を1タイプに絞り、その人のカスタマージャーニー(認知→検討→比較→問い合わせ)を1本作る方が、限られた時間と予算を一点集中させやすく、PDCAも回しやすくなります。

まず最初に決めるべき「ゴール」と「誰を集めたいか」

Web集客の目的を1文で言えるようにする

「半年で月間問い合わせ数を20件にする」など、具体的な目的を1文で言えるように設定します。

このとき、Web集客のKGI・KPIも合わせて言語化しておくと、後の判断がブレにくくなります。

  • KGI:半年後の月間売上◯◯万円、月間契約数◯件 など
  • KPI:月間セッション数、問い合わせ数、ホワイトペーパーDL数、CVR など

「問い合わせ◯件のために、1件あたり◯PV・◯クリック必要」という逆算ができると、ターゲット設定が“なんとなく”ではなく、数字と結びついたものになります。

既存顧客から「理想のターゲット候補」を見つける

すでに実績のある顧客を分析し、共通する属性や課題を抽出します。

このとき、単に「年齢」「業種」だけでなく、次のような観点も含めると「本当に狙うべき理想顧客像(ICP)」が見えやすくなります。

  • 受注単価・LTVが高かったか
  • リピート・紹介が多かったか(Retentionの高さ)
  • 受注までのリードタイムが短かったか
  • 自社のサービスと相性がよく、成功事例として語りやすいか

数件でもかまいませんので、ヒアリングメモや営業日報を見返し、共通点を書き出してみてください。

3ステップでできるターゲット設定のシンプルな手順

ステップ1:ざっくり属性で絞る(年齢・地域・仕事など)

年齢層、性別、職業、商圏などで候補を3つ以内に絞ります。ここでは、デモグラフィック(年齢・性別・職業・年収・家族構成など)とジオグラフィック(地域・商圏・オンライン/オフライン圏)を中心に考えます。

例として、

  • BtoC:30〜40代・共働き・子育て中・店舗から半径3km以内
  • BtoB:従業員10〜50名・首都圏・製造業・Web担当が兼任

のように、「広告プラットフォームで実際に指定できる単位」で考えると、そのままGoogle広告・Meta広告の設定にも反映しやすくなります。

ステップ2:悩みと状況を書き出す(課題のリストアップ)

その人が抱える課題、検索しそうな言葉、決裁プロセスを洗い出します。ここでは、

  • サイコグラフィック(価値観・ライフスタイル・優先順位)
  • ビヘイビアル(過去の購入履歴・情報収集チャネル・検討期間)

も合わせて整理します。

例:

  • 「時間はないが、品質にはこだわりたい」「多少高くても失敗したくない」
  • 「まずはスマホで“地域名+サービス名+評判”で検索する」
  • 「上司の承認が必要なので、比較資料を求める」

こうしたメモが、そのまま「検索キーワード候補」「LPの見出し」「ホワイトペーパーのテーマ」になります。

ステップ3:1人の「ペルソナ」にまとめる

名前・年齢・職業・悩み・使う媒体まで具体化したペルソナを1人分つくると、施策を決めやすくなります。

ペルソナには、次のような項目を含めるとWeb施策に落とし込みやすくなります。

  • よく使うデバイス(スマホ/PC)・利用時間帯
  • 情報源(検索・SNS・YouTube・メルマガなど)
  • 発注までに不安に思いやすいポイント
  • どのタイミングで「問い合わせボタンを押す決断」をしそうか

ここまで具体化すると、「トップページのファーストビューで何を訴求するか」「ブログはどのフェーズ向けの内容を書くか」など、コンテンツの優先度がはっきりします。

具体例でイメージする:小さな会社のターゲット設定サンプル

例1:地域密着のサービス業の場合

ターゲット例:「子育て世代の30〜40代女性、徒歩10分以内、忙しくて予約は夜にする傾向」

さらに、

  • 平日は仕事と家事で忙しく、スマホで「駅名+サービス名+口コミ」で検索する
  • LINEやInstagramをよく使う
  • 価格よりも「安心感」「口コミ」「衛生面」などの価値観が重要

といった要素を加えると、

  • 夜間に予約しやすいオンライン予約導線
  • 口コミを前面に出したLP
  • 駅名や町名を含むローカルSEO

といった具体策が見えてきます。

例2:BtoBの小さな制作・コンサル会社の場合

ターゲット例:「従業員10〜50人の経営者、外部委託で工数削減を狙う、月50万円以下の予算感」

これに加えて、

  • 社内に専任のマーケ担当がおらず、“片手間でWebを見ている”状態
  • 「営業マンの負担を減らしたい」「採用サイトを整えたい」など、目的が複数ある
  • LinkedInや業界ニュースサイトで情報収集することが多い

という前提があると、

  • ホワイトペーパーや事例記事
  • セミナー・ウェビナー
  • 比較・検討フェーズ向けのFAQや料金表

といった「比較・検討フェーズ」のコンテンツが効きやすくなります。役職(代表取締役・部長クラス)や決裁プロセスも踏まえたBtoB向けターゲティングが重要です。

例3:ネットショップ・ECの場合

ターゲット例:「健康志向の30代女性、定期購入を検討、SNS経由で情報収集」

さらに、

  • オーガニック・添加物なし・サステナブルなどの価値観を重視している
  • InstagramやYouTubeのレビュー・レシピ動画から購入を決めることが多い
  • 定期購入では「解約のしやすさ」「お試しセットの有無」が決め手になりやすい

といったサイコグラフィック・ビヘイビアルを加えると、

  • お試しセットLP
  • 定期便の解約ポリシーの明示
  • SNSと連動したレシピコンテンツ

といった施策に具体化できます。

Web集客とつながる4つの視点でターゲットを確認する

1. デモグラフィック(年齢・性別・職業など)

年齢・性別・職業などの基本属性は、広告の入れ方を決める重要な軸になります。

Google広告・Meta広告・Yahoo!広告などでは、年齢・性別・子どもの有無・世帯年収帯など、デモグラフィック軸の指定が可能です。BtoBであれば、LinkedInで「業種・従業員規模・役職」で絞ることで、理想的なICPに近い層へリーチしやすくなります。

2. ジオグラフィック(商圏・エリア)

来店型ビジネスでは商圏、ECでは配送範囲や地域ニーズを確認します。

店舗ビジネスの場合、

  • 店舗からの半径◯km
  • 最寄り駅から徒歩圏内
  • 車で来店しやすいエリア

など、実際の来店可能エリアを前提にターゲティングを行うことで、ムダな広告配信を減らせます。ECであれば、送料・配送日数・地域ごとの需要(寒冷地向け商品、都市部向けニーズなど)も踏まえてエリアを設計します。

3. サイコグラフィック(価値観・ライフスタイル)

ユーザーの価値観やライフスタイルは、クリエイティブやコピーの方向性を決めるうえで重要です。

  • 価格重視か、品質重視か
  • 時短・効率性を求めるのか、こだわりのプロセスを楽しみたいのか
  • 家族・子ども・環境など、何を優先して意思決定するか

この視点を明確にすると、「安さ訴求」「安心感訴求」「サステナビリティ訴求」など、メッセージの軸がブレにくくなります。

4. 行動(ビヘイビアル:チャネル・検討プロセス)

ユーザーがどのチャネルで情報収集し、どのようなプロセスで検討・購入するかを押さえることで、「どこに」「どんなコンテンツ」を置くべきかがはっきりします。

  • 最初の接点は検索か、SNSか、紹介か
  • 比較するときに見るのは口コミか、料金表か、事例か
  • 問い合わせ前に何ページくらい閲覧しそうか

こうした行動パターンを踏まえて、検索広告・ディスプレイ広告・SNS・メルマガ・LP・ブログなどの役割分担を決めていきます。

まとめ:小さな会社ほどターゲット設定で「絞る」べき理由

この記事でお伝えしたかったのは、「小さな会社ほど、ターゲット設定をあいまいにしないほうが、少ない予算と人員でも成果を出しやすい」という点です。

なんとなく「誰にでも届けばいい」と広く配信してしまうと、インプレッションやクリックは増えても、問い合わせや売上に結びつきにくくなります。限られたリソースを散らすより、「誰に来てほしいのか」を先に決めてから打ち手を選んだほうが、Web集客の筋道が通りやすくなります。

そのために、本記事では次の流れで整理しました。

  • まず、「Web集客で何を達成したいのか」を1文で言い切る
  • 既存顧客から、理想顧客の共通点を洗い出す
  • 属性 → 悩み・行動 → ペルソナの3ステップでターゲット像を固める
  • デモグラ・ジオグラ・サイコグラフィック・行動といった4つの視点で、Web施策とのつながりを確認する

「誰に、どんな価値を届けたいのか」を言語化できれば、広告配信・コンテンツ制作・サイト改善など、あらゆるWeb施策の精度が一段上がります。まずは既存顧客の振り返りから、できる範囲でターゲット設定を見直してみてください。

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この記事を書いた人

Webマーケティング業界10年以上のフリーランス。
「低コストでも、効果のあるWebマーケティング」をご提供することをモットーに、多岐にわたる業種の会社さまのご支援を行っております。
※2025年1月に法人化しました。