リピーターづくりにwebを活用するための基本設計

新規獲得の広告費が膨らむ一方で、売上を支えるのは「何度も戻ってきてくれるお客さま」です。そこで鍵を握るのが、リピーターづくりのためのWeb活用です。本記事では、理想のリピーター像の整理からデータ分析、Web・CRM・広告を連動させた再訪シナリオ設計まで、全体像を具体的に描いていきます。

目次

リピーターづくりにWebを活用するための基本設計【全体像】

なぜ「リピーター×Web活用」が今ビジネスの最重要テーマなのか

新規顧客の獲得コストが上昇する中、既存顧客からの継続的な売上は、安定した収益の源となります。特にECやサブスクリプションでは、「新規顧客1人を獲得するコスト」は「既存顧客1人にもう一度購入してもらうコスト」の5〜10倍と言われており、その投資効率の差は年々拡大しています。
Webを活用することで、低コストで顧客との接点を維持し、行動データをもとに効率的に再訪を促すことが可能です。

さらに、Cookie規制や広告単価の高騰により、大量の広告投下による新規集客が効きづらくなっています。一方で、ファーストパーティデータやCRMを活用したリピーター戦略は、プライバシーに配慮しながらLTVを最大化できる「持続可能なマーケティング」として、多くの企業が最優先で取り組んでいます。

新規集客一辺倒から「リピーター設計」へ切り替えるメリット

リピーター設計に舵を切ることで、CPA(顧客獲得単価)の低減、LTVの向上、口コミの拡大など、短期的な獲得にとどまらない長期的な利益最大化が期待できます。
リピーターは購入単価・購入頻度ともに高くなりやすく、安定した売上基盤をつくることで、攻めの新規獲得や商品開発にも投資しやすくなります。

また、ロイヤルカスタマー化した顧客は、レビュー投稿やSNSでの発信など、自発的にプロモーションを行ってくれるため、広告費を増やさずに新規顧客の流入を生み出せます。Webを前提にしたリピーター設計は、集客からCRM、広告までを一気通貫で最適化できる点が大きな強みです。

本記事で目指すこと・ゴールイメージ

本記事では、「誰に、何度来てほしいか」を定め、データで現状を把握し、Web・CRM・広告の設計図を描ける状態になることを目指します。具体的には、次のようなことができるようになることをゴールとします。

  • 自社にとっての「理想のリピーター像」と、必要な来店・購入回数の整理
  • GoogleアナリティクスやCRMを用いた「現状のリピーター構造」の見える化
  • Webサイト、メール・LINE、SNS、リターゲティング広告を連動させた「再訪シナリオ」の設計
  • LTVを軸としたKPI設計と、継続改善のためのPDCAサイクルの回し方

リピーターづくりの出発点:「誰に」「何度」来てもらいたいかを決める

ビジネスごとにリピーターの定義を具体化する

リピーターの定義は、業態によって変える必要があります。
BtoCビジネスであれば購入間隔や購入金額、BtoBであれば導入や更新の頻度などを基準にします。例えば、ECであれば「半年以内に2回以上購入」「年間購入額◯円以上」といったように、回数と金額の両面から定義するケースが一般的です。
一方、サブスクリプションやSaaSであれば、「◯ヶ月以上継続利用している」「アップグレード経験がある」といった状態をリピーターとみなす場合もあります。

重要なのは、「自社の利益構造に照らして、どの状態まで継続してもらえれば採算が合うか」を明確にすることです。初回は赤字でも3回目の購入で黒字化するモデルであれば、「3回目購入まで到達した顧客」を基準に設計します。

「理想のリピーター像」を言語化する3つの視点(頻度・単価・期間)

理想のリピーター像を設計する際は、次の3つの視点を数値で定義します。

  • 頻度:年間に何回購入・来店してほしいか
  • 単価:1回あたりの平均購入額はいくらか
  • 期間:何年継続してほしいか

これらはLTVを計算する前提となるため、「なんとなく常連が多い」といった感覚的なものではなく、事業計画から逆算して具体的な数値で設定することが重要です。
例えば、以下のようなイメージです。

視点 目標イメージ
頻度 年4回以上購入
単価 1回あたり5,000円以上
期間 最低3年は継続

あわせて、「どのチャネル経由の顧客がこの理想像に近いか」を把握しておくと、Web投資の配分判断がしやすくなります。
例えば、「広告経由よりも検索・指名流入の方がLTVが高い」といった傾向がわかれば、SEOやブランド指名を強化する戦略が取りやすくなります。

まず押さえるべき基本KPI(リピート率/LTV/休眠率)

リピーター施策の効果を測るうえで、まず押さえておきたい指標は次の3つです。

  • リピート率:一定期間内に2回以上購入した顧客の割合
  • LTV:1人の顧客が生涯で生み出す利益(または売上)
  • 休眠率:一定期間、購入・来店がない顧客の割合

最初は、「全体」と「チャネル別(広告・検索・紹介など)」でこれらを算出し、どこに最も伸びしろがあるかを把握します。
特に休眠顧客は、すでに接点と信頼の土台があるため、メール・LINE・広告などのWeb施策による再活性化で、短期的な成果が出やすいゾーンといえます。


データで読み解く「今のリピーター状況」

最低限チェックしておきたいWebデータとその見方

Web上のリピーター状況を把握するために、まずは以下のデータを確認します。

  • 新規/リピーターのセッション比
  • コンバージョン率
  • 離脱の多いページや経路
  • カート放棄率(ECの場合)

加えて、次のような切り口で見ると、「どの入り口がリピーター育成に効いているか」「どの画面で離脱が多いか」がより明確になります。

  • 参照元別(オーガニック検索/指名検索/広告/SNSなど)のリピーター比率
  • デバイス別(スマートフォン/PC)のリピーター行動の違い
  • 主要コンテンツ(ブログ・FAQ・事例ページなど)の再訪率

Googleアナリティクス4のユーザー属性やライフタイム指標を活用すれば、特定セグメントごとのリピート傾向も把握できます。

新規・リピーターを分けて見ることで得られる3つの気づき

新規ユーザーとリピーターを分けてデータを見るだけでも、次のような気づきが得られます。

  • 滞在時間の差
  • 購入・問い合わせに至るまでの経路の違い
  • 離脱タイミングや離脱ページの違い

例えば、リピーターの方が滞在時間は短いがコンバージョン率が高い場合、「目的が明確で、必要な情報にすぐ辿り着けている」状態だと考えられます。
一方で、リピーターの離脱率が高いページがあれば、「2回目以降のユーザーにとって価値が薄いコンテンツ」である可能性があります。

また、「新規は広告経由が多く、リピーターはメール配信や指名検索経由が多い」といった傾向が見えれば、「メール施策やブランド指名の強化によって、リピートをさらに伸ばせるのではないか」といった仮説につなげることができます。

リピーターが増えないときに最初に疑うべきポイント

リピーターが思うように増えないときは、次の3点をまず疑ってみることが有効です。

  • 価値提供不足
  • フォロー不足
  • 導線の途切れ(完了後の次のアクションが未設計)

それぞれの内容は以下のとおりです。

  • 価値提供不足:商品・サービス自体の満足度が低い、あるいは価値が十分に伝わっていない
  • フォロー不足:購入後に使い方や活用事例などの案内がなく、「一度きり」で終わりやすい
  • 導線の途切れ:購入完了・問い合わせ完了後に、「次に何をすればよいか」が提示されていない

加えて、配信チャネルが顧客のライフスタイルと合っていないケースもよくあります(たとえば、LINEの方が合う層なのに、メールのみ送っているなど)。
まずは、「購入後◯日間で、顧客と何回・どのような接点を持てているか」を棚卸しすることから始めるとよいでしょう。


「リピーター×Web活用」の設計図:全体フローを描く

カスタマージャーニーで「再訪のきっかけ」を洗い出す

リピーターを増やすには、購入後のカスタマージャーニーを描き、「再訪のきっかけ」となる接点を意図的に設計することが重要です。
具体的には、次のようなフェーズごとに、顧客の感情やニーズの変化を整理し、それに合わせたアプローチを設計します。

  • 購入直後:安心感の提供・後悔の防止(注文確認、到着予定、サポート窓口の案内など)
  • 利用開始〜定着期:使いこなし支援(ハウツー記事、FAQ、活用事例、トラブルシューティングなど)
  • 再購入検討期:不足分の補充や上位商品の提案、キャンペーン案内など

それぞれのタイミングで、どのチャネル(Webサイト、メール・LINE、SNS、広告など)からアプローチするかを決めることで、これらがWebサイト・メール・広告をつなぐ「全体の設計図」となります。

オンライン接点を棚卸しする(サイト/SNS/メール/広告)

リピーター設計では、オンライン上のすべての接点を洗い出し、それぞれの役割を明確にすることが重要です。主な接点と役割の例は次…(例:ブランド理解・信頼醸成・購入促進・再訪リマインドなど)と整理していきます。


まとめ:理想のリピーター像から逆算してWeb施策を組み立てる

リピーターづくりにWebを活用するうえでの出発点は、「自社にとっての理想のリピーター像」を頻度・単価・期間の3軸で具体的に定義し、その姿から逆算してKPIと施策を組み立てることでした。
そのうえで、新規とリピーターを切り分けてデータを眺めることで、「どのチャネルから来た人が長く付き合ってくれているか」「どのページ・どのタイミングで離脱しているか」が見えるようになります。

もしリピーターが伸び悩んでいるなら、まずは「価値がきちんと届いているか」「購入後のフォローは十分か」「次の行動への導線が用意されているか」を疑い、購入後◯日・◯週間・◯ヶ月の単位で、どのチャネルからどのような接点を用意するかを整理してみてください。

新規集客偏重の発想から、「一度出会ったお客さまに、何度・どのくらいの期間、関わり続けてもらうか」を設計する発想へと切り替えることが、これからのWebマーケティングにおける大きな差別化ポイントになります。

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この記事を書いた人

Webマーケティング業界10年以上のフリーランス。
「低コストでも、効果のあるWebマーケティング」をご提供することをモットーに、多岐にわたる業種の会社さまのご支援を行っております。
※2025年1月に法人化しました。