Google広告のキーワードを増やし続けた結果、「数が多すぎて、どこから見直せばいいのか分からない」と感じていないでしょうか。CTRが下がる、CVが出ない、費用のムダが増える――その原因は、登録数の多さそのものではなく、整理されていないキーワード構成にあります。本記事では、「多すぎる状態」を見極め、捨てる軸と残す軸をはっきりさせる考え方と整理手順を具体的に解説します。
「Google広告 キーワード 数 多すぎ」で悩んだときの全体像
キーワードを増やしすぎると管理が煩雑になり、無駄クリックやCTR(クリック率)の低下、予算の浪費を招きます。まずは現状を正確に把握し、優先順位を付けて無駄を削ぎ落とす考え方が重要です。
特に部分一致キーワードを中心に数百〜数千語を登録している場合、検索意図のずれた表示が増えやすくなります。その結果、品質スコアの低下 → CPC(クリック単価)の上昇 → コンバージョン率の低下という悪循環に陥りやすくなります。
こんな状態になっていたら要注意
次のような状態が見られる場合は、「キーワードを入れすぎている」可能性が高く、注意が必要です。
- CTRが低い
- CV(コンバージョン)がほとんど出ていない
- 費用が特定のキーワード群に偏っている
さらに、以下のような傾向も典型的な「キーワード多すぎ」のサインです。
- 検索語句レポートを見ると「情報収集だけ」のクエリが多い
- 一部の抽象的なビッグキーワードだけで予算が消費されている
- キーワードが多すぎて、どれが成果に貢献しているか把握できていない
「キーワードを増やせば成果が出る」が間違いな理由
キーワードの数を増やすほど検索意図のずれが生じやすくなり、その結果として品質スコア低下やCPC上昇を招きます。キーワードを網羅的に追加するやり方は、むしろコスト効率を下げてしまいます。
現在のGoogle広告では、部分一致(インテントマッチ)が同義語や関連語まで自動的に拾う仕組みになっているため、以前のように「表記揺れや近い言葉をすべて登録する」必要はほとんどありません。少数精鋭のキーワードで意図をきちんとコントロールした方が、CTR・CVRともに安定しやすくなります。
最初に確認するべき3つの指標(CTR・CV・費用)
まず以下の3つの指標を確認し、優先的に改善すべき箇所を決めます。
- CTR:広告の関連性や訴求力
- CV:実際の成果
- 費用:無駄な配信の度合い
このとき、次のような観点でキーワードごとの役割と優先度を整理します。
- インプレッションは多いのにCTRが低いキーワード
→ 検索意図がずれている、または広告文・LPとの関連性が低い可能性 - クリックはあるがCVが出ないキーワード
→ Know系、情報収集系の可能性が高く、除外や入札単価引き下げの候補 - 費用はかかっているのにインプレッションが限定的なキーワード
→ 高CPCのビッグワードに偏っている可能性
いまのアカウントは「どれくらい多すぎ」なのかを見極める
キャンペーン/広告グループ単位でキーワード数を棚卸しする
まず各広告グループのキーワード数を一覧化し、平均より大きく乖離しているグループを特定します。
一般的には、1広告グループあたり10〜30キーワード程度に収めることで、広告文との関連性を維持しやすく、モニタリングもしやすくなります。数百キーワードが詰め込まれている広告グループがある場合は、テーマが混在しているサインと考えられます。後のステップで「テーマ別」に分割する前提でマークしておきましょう。
マッチタイプ別に状況を仕分けする(完全一致・フレーズ一致・部分一致)
マッチタイプごとに配信量と成果を比較し、特に部分一致が過剰になっていないか確認します。
- 完全一致:CV率やCTRが高く、コントロールしやすい「軸」になっているか
- フレーズ一致:狙いたい語順・意味を保ちながら、適度にバリエーションを拾えているか
- 部分一致:インプレッションと費用が膨らんでいないか、CVにどれだけ貢献しているか
このように分けて見ることで、「キーワード多すぎ問題」の主な原因となっているマッチタイプを特定できます。部分一致で成果ゼロ・費用多のものは、代表的な削減候補です。
検索語句レポートで「無駄配信の温床」を特定する
実際に表示された検索語句レポートから無関係なクエリを抽出し、除外候補や停止対象を洗い出します。特に以下のようなパターンは「無駄配信の温床」になりやすいため、リスト化しておきます。
- 完全に別ジャンルのクエリ
(例:BtoBサービスなのに「アルバイト」「求人」など) - 価格志向が強すぎるクエリ
(「無料」「格安」「最安」「激安」など) - 情報収集のみを目的とする長文クエリ
(「とは」「やり方」「おすすめ ランキング」など)
これらの語をフレーズ一致または完全一致の除外キーワードとして登録することで、今後の無駄なキーワード追加や無関係な配信を未然に防ぎやすくなります。
残すキーワード・捨てるキーワードの判断軸
「検索意図」で4種類に分類する(Know / Do / Buy / Go)
キーワードを検索意図別に分類し、購買に直結する「Buy」「Do」を優先し、情報収集系の「Know」は優先度を下げて考えます。
| タイプ | 特徴 | 例 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| Know | 情報収集目的 | 「とは」「メリット」「使い方」など | 低〜中 |
| Do | 行動を起こしたい | 「資料請求」「申し込み」「予約」など | 高 |
| Buy | 購入意欲が高い | 「料金」「価格」「比較」「見積もり」など | 高 |
| Go | 特定のサイトやブランドに行きたい | ブランド名+サービス名 | 中〜高(ブランド戦略次第) |
特に予算が限られている場合は、Do/Buyに該当するキーワードへの配分を優先し、Knowに該当するキーワードは一部だけ残し、SEOやコンテンツマーケティングでカバーするといった線引きが有効です。
データから見る優先度の付け方(インプレッション・CTR・CV・CPA)
次のようなデータをもとに、残すキーワードと削るキーワードを判断します。
- インプレッションが多くCVが発生しているキーワード
→ 維持すべき重要キーワード - CTRが低くCVゼロのキーワード
→ 削除候補
加えて、以下のようなケースも考慮します。
- インプレッションは少ないがCV率が高いキーワード
→ ニッチなロングテールとして残す価値あり - CPAが高いが、LTV(顧客生涯価値)が高い商材に紐づくキーワード
→ すぐに捨てず、許容CPAを見直す余地あり
クリック数だけでなく、「費用 ÷ CV数(CPA)」を基準にシビアに判断することで、残すべきキーワードが自然と絞られていきます。
情報収集ワードと成約直結ワードの線引き
情報収集系キーワードは費用対効果が低くなりがちなので、リマーケティングや別施策で活用するかどうかを検討します。
- 情報系キーワードは「リスト獲得」や「コンテンツ閲覧」をKPIにした別キャンペーンに分離する
- 成約直結ワード(Do/Buy)は、明確にCVをKPIとするキャンペーンで入札単価を高めに設定する
このように運用目的を分けることで、「なんとなく残してしまう情報ワード」による予算圧迫を防ぎやすくなります。
ブランドワードを分けて考えるべき理由
ブランドワードはCTR・CVが高く、一般ワードとは運用方針が大きく異なるため、専用キャンペーンとして分離して管理することをおすすめします。
ブランド指名検索は、すでに自社を認知・検討しているユーザーが多いため、
- 品質スコアが高く、CPCが安くなりやすい
- CVRも高く、全体の指標を押し上げてしまう
といった傾向があります。ブランドワードと一般ワードを同じキャンペーンに混在させると、本来の課題(一般ワードで成果が出ていないこと)が見えにくくなります。そのため、「ブランド専用キャンペーン」を作り、入札、予算、広告文を別管理するのが望ましい運用です。
キーワードを整理する具体的なステップ
ステップ1:似た意味のキーワードをグルーピングする
まず語義が近いキーワード同士をグループ化し、重複配信を防ぎます。「エリア」「商品カテゴリ」「検索意図(Do/Buyなど)」ごとにマトリクスを作り、似たクエリを束ねていくと整理しやすくなります。
たとえば、「東京 結婚式場」「東京 ウェディング会場」「東京 ブライダル会場」といったキーワードは1つのグループにまとめ、後で代表となる1〜2語だけを残す前提で整理していきます。
ステップ2:軸キーワードを決めて「代表選手」だけ残す
各グループの中から、最も成果が見込める代表キーワード(軸キーワード)を選定します。インプレッション・CTR・CVの実績を見ながら、次の条件を満たすものを軸とします。
- 一定以上の検索ボリュームがある
- CV率・CPAが許容範囲に収まっている
- 広告文・LPのメインテーマと合致している
現在の部分一致の挙動を踏まえると、代表キーワード1つで周辺のバリエーションをある程度カバーできます。そのため、細かな表記揺れは削除して問題ありません。
ステップ3:不要・重複キーワードを一気に停止する
データに基づき、CVが発生していないにもかかわらず費用がかさんでいるキーワードを停止します。特に以下のようなものは、まとめて停止してしまう方が有利です。
- 一定期間(例:過去30〜90日)で十分なクリック数があるのにCVが0のキーワード
- CPAが目標の2〜3倍以上かかっているキーワード
- 意図的に狙いたい検索意図から外れていると判断できるキーワード
この段階では、「もったいないから残す」のではなく、数値と意図の両面からシビアに“捨てる”判断を行うことが重要です。
ステップ4:除外キーワードを整備して無駄配信を予防する
検索語句レポートで洗い出した「無駄配信の元」となっている語句を、除外キーワードリストとして体系的に登録します。
- 業界的に常に除外したいワード(「アルバイト」「求人」など)
- ビジネスモデル的に合わないワード(「無料」「格安」など)
- 情報収集のみを示す語尾(「とは」「やり方」「ランキング」など)
キャンペーン共通の除外リストとして管理することで、新しく追加したキーワードでも同じ失敗を繰り返しにくくなります。
ステップ5:ブランド/一般/情報系でキャンペーンを分割する
最後に、役割ごとにキャンペーン構造を整理し直します。
- ブランドキャンペーン:自社名・サービス名+指名ワード
- 一般(成約直結)キャンペーン:Do/Buy中心のキーワード群
- 情報系キャンペーン:Know系キーワードで、KPIはリスト獲得など
このように構造を分けることで、キーワード数だけでなく「役割」も整理された状態になり、運用の意思決定が格段にしやすくなります。
まとめ:キーワードは「増やす」より「絞って育てる」
キーワードを増やしすぎた状態は、「数の問題」というより「整理されていないこと」が本質的な課題です。CTR・CV・費用の3指標から現状を俯瞰し、検索意図(Know / Do / Buy / Go)で役割を分解していくと、残すべきものと手放すべきものが明確になっていきます。
そのうえで、
- キャンペーン/広告グループごとにキーワード数を棚卸しする
- マッチタイプ別(完全一致・フレーズ一致・部分一致)に配信状況を確認する
- 検索語句レポートから「無駄配信の温床」を洗い出し、除外を徹底する
- 似た意味の語句をグルーピングし、軸キーワードだけを残す
- ブランドワードは専用キャンペーンとして切り分ける
といった流れで整理していくと、構成がすっきりし、数字も追いかけやすくなります。
キーワードは「増やす」よりも、「絞り込みながら育てていく資産」と捉えることで、Google広告の成果は安定しやすくなります。まずは、いまのアカウントで「多すぎる部分」を特定することから始めてみてください。
