月次の施策計画を立てているのに、いつも月末はバタバタ…。そんな状態が続いているなら、年間計画とのつながりやKPIとの結びつきが曖昧になっているかもしれません。本記事では、「月次 施策 計画 立て方」をテーマに、現場で回しやすい現実的なフレームと分解手順を整理します。
月次で施策計画を立てる時に意識したい現実的な組み方
「毎月バタバタ」が続く理由と、現実的な月次計画とは何か
毎月バタバタしてしまう主な原因は、年間計画と月次への落とし込みが乖離していること、施策がKPIと結びついていないこと、そして振り返りが形骸化していることです。現実的な月次施策計画とは、達成すべきゴールから逆算し、実行可能な工数・予算に合わせて月単位で優先順位を決め、短時間で振り返りと修正ができる仕組みを指します。
ここで重要なのは、「年間の売上目標」などのKGIから、月次・週次・日次まで一気通貫でつながったラインを作ることです。KGI → KPI → 施策 → 具体アクションが1枚のシートやダッシュボードで可視化されていれば、「今月どこまで到達すべきか」「今週どの程度遅れているか」を即座に判断でき、場当たり的な残業や思いつきの施策に振り回されにくくなります。
また、現実的な月次計画とは、「PDCAが1ヶ月で1周回るサイズ」に収めることでもあります。効果検証に時間がかかる大型施策だけを並べるのではなく、月次で変化が見えるKPI(リード数・CPA・商談数など)に紐づいた小さめの打ち手も組み込み、翌月の計画にすぐ反映できるように設計することがポイントです。
年間計画と月次施策計画のズレが生む3つの失敗パターン
- 年間目標だけ立派で、月次に落ちない
- 施策は多いが、KPIと結びつかない
- 月次で振り返らないため、改善が進まない
これらは、予実管理の視点が欠けていると起こりやすい失敗です。年間で組んだ予算や数値目標を「月次決算」にブレイクダウンし、毎月の着地(売上・コスト・主要KPI)を確認する習慣がなければ、乖離はどんどん積み上がります。特に中小企業では、「四半期が終わってから気づいたら大きく未達だった」というパターンが典型的です。
一方で、年間計画を四半期 → 月次 → 週次と分解し、月次で予算と実績(予実)を比較するだけでも、「どの施策が効いているか」「どこにリソースを寄せるべきか」といった経営判断がしやすくなります。施策とKPIを紐づけておけば、「この施策はリード○件、CPA○円を狙っている」といった形で打ち手ごとの期待値が明確になり、実施・中止の判断もスムーズになります。
月次施策計画の基本フレームをシンプルに整理する
月次施策計画の全体像(ゴールから逆算する4ステップ)
- KGI → KPI → 施策 → 日次・週次アクションの流れを明確にします。
- 「今月やること」が一目で分かる状態とは、1ページのダッシュボードでKPI現状値・目標値・主要施策・担当・期限が見えることです。
この4ステップは、古典的なPDCAサイクルを月次に最適化した形と捉えると分かりやすくなります。「Plan」でKGIから逆算してKPI・施策を決め、「Do」で週次・日次アクションを実行します。「Check」で月次の予実を確認し、「Act」で翌月の計画を修正する、という流れです。
実務上は、スプレッドシートやSFA・CRMのダッシュボードに、次の項目を1画面で配置すると運用しやすくなります。
- 今期のKGI(売上・受注数など)
- 月次KPI(リード数、商談数、CPAなど)と前月比・前年同月比
- 主要施策ごとの目標インパクト(増加リード数など)と予算
- 施策オーナーと週次のマイルストーン
この「1ページ化」ができると、会議でも日常の進捗確認でも迷いが減り、「何から話すか・どこを見るか」がチーム内で統一されます。
ステップ1:先月の結果を30分で振り返る現実的な方法
- 見るべき指標は3〜5個に絞ります(例:リード数、商談化率、CPA、LTV、訪問数)。
- 「何が原因か」を深追いしすぎず、優先的に改善すべき仮説を1〜2つに絞り、次週に試すことを決めます。
ここでのポイントは、「月次決算レベルの精緻さ」と「現場で回るスピード感」のバランスです。すべての数値を完璧に分析しようとすると、現場メンバーの負荷が高まり、レビュー自体が継続しなくなります。逆に、見る指標を3〜5個に絞り、「先月比・前年同月比・予算比」の3軸だけを短時間で確認する仕組みにしておけば、30分での振り返りが現実的になります。
また、AIやBIツールがある場合は、あらかじめ決めたKPIの定点グラフやサマリーレポートを自動生成し、「人は解釈と打ち手の議論に集中する」という役割分担にすると、月次レビューの質とスピードを両立しやすくなります。
ステップ2:月次の目標・KPIを無理なく設定するコツ
- 「前年同月」と「直近3ヶ月」の実績を比較し、現実的なレンジの中で目標を設定します(急激な水準アップは避けます)。
- 定量目標(リード数、CPA)に加え、定性目標(コンテンツの改善、案件の質向上)をセットしてバランスを取ります。
さらに、年間KGIからの「逆算ロジック」を明文化しておくと、毎月のKPI設定がブレにくくなります。例えば、「年間受注○件=月間受注○件×12=リード○件×商談化率○%×受注率○%」と分解しておけば、「今月のリード目標をどこまで上げれば、四半期のKGIに追いつけるか」を数式ベースで議論できます。
一方で、数値目標だけでは測れない「質的な変化」も、月次のテーマとして設定しておくと有効です。例えば、次のようなものです。
- 商談前のヒアリング項目を標準化し、提案のフィット感を高める
- ホワイトペーパーの内容を刷新し、インバウンドリードの質を上げる
このように、翌月以降のKPI改善につながる「投資的な改善目標」を1つだけ決めておくと、短期と中長期のバランスが取りやすくなります。
実務で使える「月次施策計画の立て方」を具体的に分解する
ステップ3:施策を数字に落とし込むシンプルな表の作り方
- 施策ごとに「現状・目標・増加数・予算・CPA」を列に並べると、意思決定が速くなります。
-
例:
リスティング(現状5件 → 目標20件、増加+15、予算30万円、想定CPA2万円)
SEO(現状10件 → 目標15件、増加+5、予算5万円、想定CPA1万円)など。
この表を作成する際は、「合計するとKGIにどれだけ寄与するか」と「予算の総額・CPAの妥当性」を同時にチェックします。例えば、次のような観点です。
- 各施策の増加リード数を合計して、月間リードKPIと合致しているか
- 施策別CPAから逆算して、想定売上やLTVに対して投資効率が見合っているか
- 年間予算を月割りした「月次予算枠」に収まっているか
イメージしやすいように、簡易的な表形式にすると次のようになります。
| 施策名 | 現状リード数 | 目標リード数 | 増加数 | 予算 | 想定CPA |
|---|---|---|---|---|---|
| リスティング広告 | 5件 | 20件 | +15件 | 300,000円 | 20,000円 |
| SEOコンテンツ | 10件 | 15件 | +5件 | 50,000円 | 10,000円 |
このように整理すると、経営層の承認も得やすくなります。
また、この表を毎月アップデートしていくことで、簡易的な「MMM(どの施策がどれくらい効いたかの比較)」にもなり、翌月以降の予算配分の根拠になります。中小規模であれば、スプレッドシート1枚でも十分に運用可能です。
ステップ4:月次の施策を週次・日次にブレイクダウンする
- 「ざっくり計画」が実行されない理由は、日常業務に埋もれ、アクションが曖昧になるためです。
- 週次チェックポイントは「KPI進捗」「施策の実行状況」「仮説検証結果」の3点に絞ります。
- 日々の行動量を定量化する(例:テレアポ50件/日、商談3件/週、記事2本/月)ことで、実行確度が上がります。
週次・日次レベルでは、「誰が・いつまでに・何をするか」をタスクツールやSFA上で明文化しておきます。Asanaなどのタスク管理ツールを使う場合は、次のような構造にすると、そのまま進捗管理ボードとして機能します。
- プロジェクト:○月度施策計画
- セクション:広告/コンテンツ/インサイドセールス など施策単位
- タスク:週次・日次の具体アクション(LP改善A/Bテスト実施、架電リスト作成など)
週次ミーティングでは、「KPI目標に対して今どこにいるか」「今週やるべき行動量・優先施策は何か」だけを確認し、細かい報告はSFA・ダッシュボードに任せる設計にすると、会議時間を短く保ちながら実行モードを維持できます。
ステップ5:予算とリソースを現実ラインに調整する
- 1人当たりの実働工数を見積もり、月間で消化可能な工数を合算します(稼働率の目安は70〜80%程度とします)。
- 「これ以上増やしたら崩壊する」ラインは、残業や外注で補えないコア業務が圧迫されるポイントを基準に決めます。
予算面では、年次で計上している費用(保守料や年間ライセンスなど)を「月割り」で按分し、各月の施策予算とあわせて管理します。固定費と変動費を分けて月次で可視化しておくことで、「今月はどこまで投資できるか」「どの施策を削るべきか」といった判断がしやすくなります。
まとめ:月次施策計画を現場で回るサイズに落とし込む
月次施策計画を現実的なラインで組むには、年間KGIから逆算したKPIと施策を1枚のシートでつなぎ、月次でPDCAが1周回るサイズに収めることがポイントです。先月の結果は指標を3〜5個に絞って30分で振り返り、深追いしすぎずに「次に試すこと」を1〜2個だけ決めていきます。
目標設定では、前年同月・直近3ヶ月の実績を踏まえて水準を調整しつつ、数値だけでなく「質の改善」に関するテーマも1つ仕込んでおくと、中長期の底上げにつながります。
施策は「現状・目標・増加数・予算・CPA」を並べたシンプルな表で数字に落とし込み、合計するとKPIや予算枠とどう整合するかを毎月チェックします。そのうえで、「誰が・いつまでに・何をするか」を週次・日次のアクションレベルまで書き出し、タスク管理ツールやSFAと連動させることで、机上の計画を実際に回るオペレーションへと変えていくことができます。
