「電話で直接話したいお客さまからの問い合わせを増やしたいのに、なかなか鳴らない」そんな悩みを抱える広告運用担当者は少なくありません。本記事では、広告設定やランディングページの見直しを通じて、電話問い合わせを着実に増やすための考え方と具体策を整理してご紹介します。
電話での問い合わせを増やしたい時の広告設定の工夫
なぜ「電話問い合わせ」が増えないのか?よくある3つの原因
フォーム前提の設計になっている
広告やランディングページ(LP)がフォーム送信を前提に設計されていると、電話に誘導する文言や導線が弱くなります。電話での問い合わせを希望するユーザーは即時性を重視するため、フォーム中心の導線では離脱しやすくなります。
特に日本では「とりあえず電話で聞きたい」という文化が根強く、フォームだけを強調していると、本来取りこぼす必要のない“高温度リード”を逃してしまいます。検索広告やSNS広告それぞれで「電話ボタン」や「電話歓迎テキスト」を明示的に設置し、フォームと電話の導線を意図的に切り分ける設計が重要です。
スマホユーザーへの配慮が足りない
スマホ利用時に、ワンタップで発信できない・ボタンサイズが小さい・表示位置が悪いといった問題があると、電話ボタンはタップされません。表示の遅延やクリックできないリンクも機会損失につながります。
現在のモバイル広告市場ではスマホ経由が主流であり、Google広告やMeta広告で発生する多くの通話は、スマホからの「Click-to-Call」が占めています。ファーストビューに電話ボタンを固定表示する、タップ領域を指2本ぶん程度の大きさにする、誤タップを避けるための余白をとるなど、UI/UXレベルでの最適化が必要です。
広告とコールセンターの連携が取れていない
広告で問い合わせを増やしても、応対の質や応答時間が悪ければ見込み顧客は離脱します。広告のターゲットや配信時間帯と、コールセンターの稼働時間・体制が一致しているかを確認することが大切です。
また、広告で訴求している内容(初回無料相談・即日対応など)が、実際のオペレーションで再現されていないと、クレームや解約につながります。コールセンター側のCPH(1時間あたり対応件数)やFCR(一次解決率)と、広告側の配信量・配信時間帯を連動させ、「受けきれるボリュームだけを狙って増やす」という視点が不可欠です。
電話問い合わせを増やすための基本戦略
「電話で問い合わせたい人」の行動パターンを理解する
緊急性や場所、即時回答を求める層を想定し、それに合わせてキーワードやクリエイティブを分けます。
たとえば「近くの◯◯」「今日中に◯◯」「◯◯ トラブル」「◯◯ 修理」などは電話向きのキーワードになりやすく、LPも「すぐ電話できる設計」「今すぐ相談可能」を前面に出すべきです。
一方で「比較」「おすすめ」「口コミ」など検討色が強いキーワードはフォームや資料請求向きです。そのため、広告グループやキャンペーンを分けて管理すると、入札と訴求を最適化しやすくなります。
電話コンバージョンをきちんと計測できる状態にする
コールトラッキングや動的番号表示を使って広告経由の着信を計測し、通話時間や成約率など質の指標も記録します。
Google広告の通話コンバージョン設定や、専用のトラッキングツールで広告ごとに異なる電話番号(動的番号)を付与することで、「どのキーワード・どの広告・どの媒体から、どれだけの電話が来て、どれくらい成約しているか」を可視化できます。
さらに、30秒以上・60秒以上など一定時間以上の通話だけを「有効コンバージョン」としてカウントすると、ワン切りや誤発信を除外した精度の高い最適化が可能です。
広告から着信、応対までを一つの導線として最適化する
広告文、着信時のアナウンス、オペレーターのスクリプトまで一貫して整え、途中での離脱を防ぎます。
広告で「待ち時間0分」「即日対応」と訴求するなら、IVR(自動音声)のメッセージでも「ただいますぐに担当者につなぎます」と明確に伝え、オペレーター側には広告別のスクリプトを用意しておきます。
また、通話録音やAI音声分析を活用すると、「どの広告経由の通話が成約率・顧客満足度が高いか」を把握でき、キーワードやクリエイティブの改善に直接役立てることができます。
Google広告で電話問い合わせを増やす設定の工夫
検索広告での「電話を増やす」ための設計
「電話に向いたキーワード」と「フォームに向いたキーワード」を分ける
緊急性や地域名を含む検索は電話向き、比較検討系の検索はフォーム向きとして分け、それぞれに合わせた入札と広告文を作成します。
電話向きキーワードではスマホの入札比率を高め、「通話コンバージョン」を主要な目標に設定します。一方でフォーム向きのキャンペーンでは、フォーム送信をコンバージョンとして最適化指標に設定することで、同じ予算でも役割の異なるリードをバランスよく獲得できます。
地域名・緊急性の高いキーワードを狙うポイント
「今すぐ」「当日」「近く」「本日対応」などの語句を加え、地域ターゲティングを強めます。
さらに、入札戦略を「コンバージョン数の最大化」あるいは「目標CPA」に設定しつつ、電話コンバージョンの価値を高めに設定しておくと、Googleの自動入札が「電話が発生しやすい検索条件」を学習しやすくなります。
店舗ビジネスやローカルサービスの場合は、半径◯kmといった距離ターゲティングや、市区町村単位での入札調整も有効です。
広告文に必ず入れたい「電話訴求フレーズ」の例
「今すぐ相談OK」「ワンタップで電話」「待ち時間0分で対応」など、即時性を伝える文言を入れます。
あわせて「◯◯エリア限定」「◯時までのご連絡で当日対応」「初回相談無料」「土日祝も受付」など、検索ユーザーが不安に感じがちな点(いつ・いくら・本当にすぐ対応してもらえるか)を解消する一文を加えると、クリック率(CTR)と通話コンバージョン率(CVR)が向上しやすくなります。
レスポンシブ検索広告では見出し候補に電話訴求フレーズを複数含め、組み合わせの中で最も通話が取れるパターンを機械学習により見つけていくことが重要です。
通話専用キャンペーン・電話番号表示オプションの使い方
スマホ向け「通話専用広告」のメリット・デメリット
通話専用広告のメリットは、ワンタップ発信による通話率の向上です。一方で、クリック数ベースでの最適化がしにくい点がデメリットになります。
通話専用広告はLPを介さずにダイレクトで電話発信が行われるため、「今すぐ話したい」ユーザーを逃しにくくなります。一方で、LP上での情報提供や比較検討のプロセスがない分、サービス内容を十分理解していない状態で電話が来ることがあり、コールセンター側のAHT(平均処理時間)が長くなりやすい側面もあります。
緊急性の高い業種(修理・医療・鍵・水まわりなど)では通話専用広告の比率を高め、情報収集が必要な業種ではLP経由の広告と組み合わせて使うなど、業種特性に応じた設計が必要です。
電話番号表示オプションの設定手順と注意点
まず、Google広告の管理画面で「広告表示オプション」から電話番号表示オプションを追加し、ビジネスプロフィールに登録している電話番号と必ず一致させます。表示の有無、国番号、通話計測(通話レポート)のオン・オフもここで確認します。
通話レポートを有効にしておくことで、通話時間や通話の発信元デバイスを可視化できます。複数店舗を運営している場合は、キャンペーン単位・広告グループ単位で適切な電話番号を紐づけ、「どの店舗にどれだけ広告経由の電話が来ているか」を店舗別に分析できるようにしておくことが重要です。
営業時間外の無駄クリック・無駄コールを減らす配信設定
配信スケジュールで広告の表示時間を営業時間内に限定し、営業時間外は広告を停止します。
通話専用キャンペーンや電話番号表示オプションを利用している場合、営業時間外に電話ボタンが表示されると、留守電やワン切り、不満の原因になりやすく、CPAが悪化します。Google広告では曜日・時間帯ごとに配信を細かく制御できるため、コールセンターの実際の稼働時間に合わせて設定することが理想です。
さらに、コールセンターの混雑状況に合わせて入札を調整し、「受けきれない時間帯は広告を弱める/止める」という運用ルールを作っておくと、CPHと顧客満足度の両立につながります。
ランディングページと電話ボタンの改善ポイント
スマホで「ワンタップ通話」させるデザインの基本
ページ上部に大きな電話ボタンを固定表示し、タップ一回で発信できるようにします。スクロール時にも常に見える位置(ヘッダーやフッターの固定バー)に電話ボタンを配置することが有効です。
「今電話」「チャット」「フォーム」など複数のコンタクト手段がある場合でも、電話を優先したい場合は、電話ボタンをより目立つ位置とデザインで配置します。
また、実機で電話リンクのテスト(タップ検証)を行い、OSやブラウザによる不具合がないか確認しておくことも重要です。
電話番号の配置・サイズ・色でCVRが変わる理由
視認性が高くクリックしやすい要素は、ユーザーの行動を強く促します。CTAボタンは背景とのコントラストを高め、指で押しやすい大きさにすることで、タップ率を引き上げることができます。
まとめ:電話問い合わせを「設計して増やす」ために
電話問い合わせを増やしたい場合、やみくもに「電話番号を大きくする」「通話専用広告を出す」といった単発施策だけでは成果が頭打ちになりがちです。
本記事で整理してきたように、
- 広告・LPがフォーム前提になっていないかを見直し、「電話を選びたい人」にとって自然な導線をつくること
- スマホ経由の「ワンタップ通話」を前提に、ボタン位置・サイズ・デザインを細かく調整すること
- 検索意図に応じて電話向きキーワードとフォーム向きキーワードを切り分け、キャンペーン設計と入札方針を変えること
- 通話コンバージョンを計測し、通話時間や成約率といった“質”まで踏まえて最適化していくこと
- 広告配信時間とコールセンターの稼働状況を合わせ、「受けきれる量だけ、確度の高い電話を増やす」運用ルールを整えること
といったポイントを押さえることで、電話問い合わせは「偶然増える」のではなく、狙って増やせるチャネルになります。自社の商材・体制に合わせて、広告・LP・コールセンターを一つの導線として設計し直すことから始めてみてください。
