リスティング広告がなかなかクリックされないときに見直したい要素
「リスティング広告がなかなかクリックされない」「表示はされているのに反応が落ちてきた」。そんな悩みを抱えたまま、入札単価だけをいじっていないでしょうか。本記事では、CTRが伸び悩むときに見直したいポイントを、キーワード設定・広告文・配信設計の3つの観点から整理して解説します。
いま「クリックされない」リスティング広告で起きていること
よくある症状チェックリスト
- CTRが明らかに低下している(例:業界平均を下回っている)
- 表示回数はあるのにクリックがほとんど発生しない
- 表示順位が下がってから反応が落ちた
- 同一クリエイティブで長期間運用していると反応が鈍る
- 新規キーワード追加やターゲティング拡大後に急にCTRが悪化した
- 管理画面上の「推定クリック率」「広告関連性」の評価が「平均以下」「低い」と表示されている
「品質スコア」と「広告ランク」がクリック率に与える影響
品質スコア(推定CTR・広告関連性・ランディングページ体験)が低いと、同じ掲載順位を維持するために高い入札が必要になり、表示機会や露出面が制限されます。その結果、CTRの改善が難しくなります。
特にGoogle広告では、次のような構造になっています。
- 「推定CTR」が低い
→ クリックされにくい広告と判断され、広告ランクが下がる - 「広告関連性」が低い
→ 実際の検索キーワードと広告文・キーワードの一致度が低く、表示されにくくなる - 「ランディングページ体験」が悪い
→ 直接CTRには表れませんが、総合評価が下がり広告ランクにマイナスに働く
広告ランクは「広告ランク = 入札単価 × 品質スコア」で決まるため、品質スコアを無視して入札だけで押し切ろうとすると、CPCが高騰しやすくなります。
さらに、最近は検索結果ページ上部にAI概要(AI Overviews)が表示されるケースも増えており、同じ品質スコアでも「広告枠自体のクリック総量が減る」環境要因があります。そのため、従来以上に「限られたインプレッションから確実にクリックを取りに行く」設計が重要になっています。
まず最初に確認したい3つの基本
広告がそもそもきちんと表示されているか
インプレッションの推移、平均掲載順位、入札単価(推奨入札との差)を確認します。掲載順位が急落している場合は、入札不足や品質低下の可能性があります。あわせて次の点も確認します。
- キャンペーン・広告グループ・キーワードのステータス(配信停止・審査中・不承認・制限付き配信)
- 予算の消化状況(「予算によって制限されています」と表示されていないか)
- デバイス別・地域別にインプレッションが極端に減っていないか
これらを確認し、「そもそも表示されていない」状態を早めに排除します。AI概要の影響で自然検索・有料ともにクリック総数が落ちているケースもあるため、前年同月やAI概要導入前との比較も有効です。
ターゲットユーザーに届く設定になっているか
地域・デバイス・曜日時間帯・オーディエンス設定を見直し、想定しているユーザー層へ配信されているかを確認します。モバイル流入が多い場合は、モバイル優先の入札も検討します。
加えて、次のような調整を行うことで、「広く薄く配信してCTRを落とす」状態から「狭く深く、意図の強い層に集中」する設計へ切り替えられます。
- 「詳細な所在地」レベルで成果の良し悪しを分析し、弱い地域を除外する
- BtoBなら勤務時間帯・平日中心、BtoCなら夜間・週末を厚めに配信する
- リマーケティングや類似オーディエンスを活用し、既に関心がある層を別入札で強化する
プライバシー規制やCookie制限でターゲティング精度が落ちている分、自社のファーストパーティデータ(会員・資料請求者など)を掛け合わせると、CTR・CVRともに改善しやすくなります。
競合環境が変わっていないか
競合の入札強化、季節性やセール期の変化によりCTRが落ちることはよくあります。オークション分析やオークションインサイトを定期的に確認しましょう。
特に次の点を把握し、自社も訴求軸やオファーを見直します。
- 新規参入や大手ブランドの出稿増加によるシェア・掲載順位の変動
- 繁忙期・閑散期の切り替わりによる検索ボリュームの変化
- 競合のクリエイティブ刷新(価格訴求・キャンペーン訴求など)の有無
CTRが落ちているのにCPCだけ上がっている場合は、「競合の入札強化に巻き込まれている」状態であることが多く、キーワードの絞り込みや、別のニッチキーワードへのシフトを検討します。
要素①:キーワード設定の見直しポイント
「広すぎる」「ずれている」キーワードの見つけ方
検索語句レポートで実際に表示された検索クエリを抽出し、クリック率・コンバージョンが低い語句を洗い出します。意味が広すぎる語は除外候補です。
「情報収集系(〜とは・意味・やり方)」と「今すぐ検討系(料金・見積り・比較・おすすめ)」を分けて分析し、後者を優先して残すと、CTRとCVRの両方が安定しやすくなります。
また、ブランド名+一般名詞のような「指名に近いキーワード」は通常CTRが高く、品質スコアも上げやすいため、キャンペーンを分けてコントロールすると全体の評価底上げにもつながります。
マッチタイプの整理で無駄クリック・無駄インプレッションを減らす
部分一致で無駄が多い場合は、フレーズ一致や完全一致に切り替えます。段階的に絞るのが安全です。
Googleの部分一致は年々「拡張」度合いが強く、関連が薄い検索にも出やすくなっています。そのため、次のような構成にすると、CTRの底上げと新規獲得のバランスを取りやすくなります。
- 成果の良い検索語句を「完全一致」で追加する
- そのうえで、広めのカバーとして部分一致を少額で残す
特にBtoBや高単価商材では、意味のブレが売上に直結するため、マッチタイプの精度管理がROIに大きく影響します。
除外キーワードで「そもそも興味がない人」を除外する
CTRが低くCPAも悪い語は除外します。ただし、除外しすぎると流入自体が減るため、まずは低予算でテストしつつ範囲を広げていく方法が有効です。
「無料・安い・中古・転職・評判・クレーム」など、自社のビジネスモデルと明らかに合わない語は、最初から除外リストとして用意しておくと効率的です。
また、AI概要の普及により「ざっくり情報収集」はAIで完結し、広告をクリックするユーザーは相対的に本気度が高い傾向が強まっています。検索語句を定期的にレビューし、「情報収集だけで終わる層」を徹底的に除外していくことが、これまで以上に重要になっています。
要素②:広告文(クリエイティブ)の見直しポイント
検索意図とズレていないかをチェックする
検索クエリと見出し・説明文の一貫性を確認し、ユーザーが求める情報を見出しに反映させます。
同じ広告グループ内でも、検索意図によって訴求を変えることで、推定CTRと広告関連性の両方が改善しやすくなります。
- 「比較・ランキング」系クエリ
→ 複数社比較や選ばれる理由を訴求する - 「価格・費用」系クエリ
→ 料金体系や割引情報を前面に出す - 「事例・実績」系クエリ
→ 導入事例・顧客数・成果指標を提示する
このように、検索意図ごとに広告グループを分けて訴求を変えることが有効です。
「なんとなく情報」ではなく具体的なベネフィットを出せているか
価格、実績、納期、限定特典など具体的な数字や期限を入れると反応が上がりやすくなります。
「豊富な実績」よりも「導入実績3,000社」「最短当日発送」「初月50%OFF・今月末まで」のように、ユーザーが「得か損か」を瞬時に判断できる情報を見出しに盛り込みます。
また、競合が増えているキーワードでは、次のように「クリックする理由=オファー」を明確にしないと、上位掲載でもCTRが伸びにくくなっています。
- 無料トライアル・返金保証
- 特典付き資料・診断レポート
CTA(行動喚起)の一言でクリック率を変える
目的別に「資料請求」「無料相談」「今すぐ試す」など、明確な行動を示すとCTR改善に直結します。
ただし、検索意図とCTAが噛み合っていないと逆効果になるため、ファネルやキーワードごとにCTA文言を出し分けます。
- まずは無料で情報収集したい層
→ 「資料ダウンロード」「事例集を見る」 - 具体的に検討中の層
→ 「見積り依頼」「デモ予約」 - すぐに利用したい層
→ 「今すぐ申込」「当日予約OK」
このように設計すると、クリック後のCVRも合わせて改善しやすくなります。
広告が「見慣れられて」いないか(広告疲れのサイン)
同じ訴求が長期間続くとCTRは落ちていくため、4〜8週間を目安にクリエイティブを入れ替えたり、バリエーションを追加します。
特に検索ボリュームが小さいニッチ領域では、同じユーザーに何度も同一広告が表示されるため、「またこの広告か」とスルーされがちです。
- 見出しの切り口を「価格訴求」「実績訴求」「悩み共感訴求」など3〜4パターン用意する
- 反応が落ち始めたら勝ちパターンを残しつつ、新しい訴求をテストする
まとめ:CTR改善は「入札単価」よりも設計見直しから
本記事では、リスティング広告のCTRが伸び悩んだときに確認したいポイントを、キーワード設定・広告文・配信設計の3つの観点から整理しました。
まず、「そもそもきちんと表示されているか」「狙いたいユーザーに届く設定になっているか」「競合環境は変わっていないか」を押さえたうえで、次のような順番で見直していくと、原因を切り分けやすくなります。
- 検索語句レポートから「広すぎる・ずれているキーワード」を洗い出し、マッチタイプと除外キーワードで無駄なインプレッションを削る
- 検索意図と広告文の一貫性を高め、数字・期限・特典など具体的なベネフィットと適切なCTAを盛り込む
- 地域・デバイス・時間帯・オーディエンスを調整し、「広く薄く」ではなく、意図の強い層に配信を集中させる
あわせて、品質スコアや広告ランクを定期的にチェックし、「入札単価を上げる前に設計を見直す」習慣をつけることで、CPCを抑えながらCTR・CVRを底上げしやすくなります。
