「Webから集客したいけれど、どこから見直せばいいのか分からない」──そんな戸惑いを抱えたまま、なんとなく広告を出したり、制作会社任せのホームページを運用していないでしょうか。アクセス数やSNSのフォロワーに一喜一憂しても、「問い合わせ」や「売上」という形に結びつかなければ、手応えは感じにくいものです。
とくに小さな会社では、社長や少人数の担当者が本業と兼務でWeb集客を担うことが多く、戦略・サイト構成・コンテンツ・広告・分析といった要素のどこに穴があるのかを冷静に把握しづらい状況に陥りがちです。そこで役立つのが、自社の現状を落ち着いて棚卸しできる「web集客 チェックリスト」です。
この記事では、小さな会社が押さえておきたい20の観点を整理し、「できている」「できていない」「よく分からない」と自分で判定しながら、抜け漏れを洗い出せるようにまとめました。専門用語をできるだけ避け、経営者や一人マーケ担当の方でも、自社サイトのどこから整えるべきかが見えてくる内容になっています。最初の一歩として、まずはこのチェックリストで現状を可視化するところから始めてみてください。
小さな会社のためのWeb集客チェックリスト 今すぐ確認したい20項目
このチェックリストで分かること・できること
「web集客 チェックリスト」と検索される方の多くは、
- どこから手をつければいいか分からない
- いろいろ試しているのに成果が見えない
- 制作会社や広告会社に任せきりで中身を把握できていない
といったお悩みをお持ちです。
実際、Web集客の全体像には「戦略設計・サイト要件・コンテンツ・広告運用・分析改善」など多くの要素があり、特に担当者が兼任になりがちな小さな会社ほど、どこかの工程が抜け落ちてしまいがちです。その抜け漏れを防ぐために役立つのが、体系的なチェックリストです。
ここで紹介する20項目は、小さな会社が「最低限、ここだけは押さえておきたい」ポイントに絞ったチェックリストです。難しい専門用語を極力避け、経営者・一人マーケ担当・現場責任者の方でも、自社の状況をセルフチェックできるように整理しています。
このチェックリストで分かる・できることは次の3つです。
- 「web集客 チェックリスト」で本当に押さえるべき基本項目が分かる
- 小さな会社がまず見直すべき20項目の全体像を把握できる
- かけられる時間・予算が少なくても、「いますぐ着手すべき順番」が分かる
さらに、ターゲット設定やカスタマージャーニー、問い合わせ導線、SEOなど、専門会社に任せきりになりやすい部分についても、「最低限ここだけは自社で把握しておくべき」観点を盛り込んでいます。自社内に知識を蓄積しておくことで、制作会社や広告会社とのコミュニケーションもスムーズになり、外注コストのムダも減らせます。
すべてを一度に完璧にしようとする必要はありません。まずは「できている」「できていない」「よく分からない」の3段階でチェックし、「できていない」「よく分からない」が多いところから手をつけていきましょう。
まず確認したい「戦略・ターゲット設定」のチェック項目
Web集客は、サイト改善や広告を行う前に「誰に・何を・どう売るか」が決まっていることが大前提です。ここがあいまいなままだと、どれだけお金をかけても成果につながりにくくなります。
多くの失敗例では、「とりあえずホームページを作る」「とりあえず広告を出す」といった“手段先行”で動いてしまい、ターゲットや強みの言語化が後回しになっています。その結果、メッセージがぼやけ、アクセスはあるのに問い合わせにつながない状態に陥ります。
1. 理想の顧客像(ペルソナ)は具体的に言語化できているか
「うちは誰でもお客様です」という状態は、一見間口が広いようでいて、実はメッセージがぼやけてしまい、集客効率が下がります。
次のようなレベルまで、理想の顧客像(ペルソナ)を言語化できているか確認してみてください。
- 年齢・性別・職業・役職・家族構成
- どんな場面で自社の商品・サービスを探すのか
- どんな悩み・不安・不満を抱えているのか
- 何を重視して比較・検討する人なのか(価格・品質・スピード・安心感など)
可能であれば、「最もよく契約してくれる既存のお客様」を1〜2名思い浮かべ、その人をモデルにペルソナを作ると、机上の空論になりにくくなります。BtoBの場合は、「会社属性(業種・従業員規模・エリア)」と「担当者像(役職・決裁権の有無・社内での立場)」もセットで整理しておくと、提案内容やコンテンツの方向性を定めやすくなります。
チェックポイント
- 「うちの理想的なお客様は、○○業界の△△という立場の方で、□□に困っている人です」と声に出して言えますか。
- 社長と担当者で、そのイメージはズレていませんか。
- そのペルソナ像は、社内で共有できるドキュメント(1枚紙・スライドなど)になっていますか。
サイトの文章や写真、事例選定は、すべてこのペルソナに合わせて設計していきます。
2. 「自社が選ばれる理由(強み)」を一言で説明できるか
お客様は、常に複数の選択肢を見比べています。その中で「なぜ、あなたの会社を選ぶべきなのか」が一言で伝わらないと、記憶にも残りません。
- 「〇〇エリアで唯一、△△専門の□□会社です」
- 「小ロット・短納期に特化した印刷会社です」
- 「美容室が苦手な男性のためのメンズ専門サロンです」
のように、「あ、それが欲しかった」と思ってもらえる一言が必要です。これは「USP(自社ならではの売り)」や「ポジショニング」と呼ばれる部分で、ここが明確だと、サイト構成やコンテンツ、広告のコピーもぶれにくくなります。
チェックポイント
- 社内の誰もが同じ一言で説明できていますか。
- サイトのトップページの一番目立つ場所に、その一言が書かれていますか。
- その一言を裏付ける実績・事例・数字(年数、件数、専門性など)が一緒に示されていますか。
ここがあいまいだと、どれだけアクセスを集めても「ふつうの会社」として埋もれてしまいます。
3. 競合サイトとの違いを3つ以上挙げられるか
お客様は、あなたのサイトだけを見るわけではなく、必ず競合サイトも見ています。そのときに、「競合と見比べたときに、どこが違うのか」を自分で把握しておくことが重要です。
- サービス内容・料金体系
- 対応スピード・サポート体制
- 事例や実績の数・質
- サイトの分かりやすさ・安心感
- 保証・アフターサービス など
単に「うちは品質がいいです」「丁寧に対応します」といった抽象的な表現だけでは差別化になりません。競合と比べて「より専門特化しているのか」「対応範囲が広いのか」「導入後のフォローが厚いのか」など、具体的な違いを洗い出すことが大切です。
チェックポイント
- 「A社よりもここが強い」「B社はこれが優れているが、当社はここで勝てる」という比較が整理できていますか。
- その違いが、サイト上の文章・図・事例として表現されていますか。
- 競合サイトを3〜5社ピックアップし、「良い点/悪い点/自社が取り入れたい点」を簡単にメモしていますか。
「違い」がはっきり見えるほど、お客様の意思決定は早くなり、価格競争にも巻き込まれにくくなります。
4. Web集客のゴール(問い合わせ・資料請求・来店予約など)は明確か
「アクセスが増えた」「PVが伸びた」だけでは、ビジネスの成果とは言えません。Web集客のゴールを、具体的な行動として定義しておきましょう。
例:
- BtoB:問い合わせ、見積もり依頼、資料ダウンロード、ウェビナー申込
- BtoC:来店予約、LINE登録、無料相談予約、ECサイトでの購入
単一の「最終ゴール」だけでなく、「中間ゴール(マイクロコンバージョン)」を設定しておくと、見込み客を段階的に育てる設計がしやすくなります。たとえば「資料ダウンロード → メールマガジン登録 → 無料相談 → 成約」といった流れです。
チェックポイント
- 自社にとって「Web経由で増やしたい一番大事な行動」は何ですか。
- それを達成するための「中間ゴール」(メルマガ登録、資料請求など)は定めていますか。
- そのゴール・中間ゴールが、アクセス解析ツール上の「目標(コンバージョン)」として設定されていますか。
このゴールが明確なほど、サイト構成やコンテンツ、広告の設計がぶれなくなります。
集客導線の起点になる「サイト全体」のチェック項目
どんなにSNSや広告をがんばっても、受け皿であるWebサイトが使いにくかったり、情報が不足していると成果は頭打ちになります。ここでは、最低限チェックしておきたい「土台」の項目を整理します。
特に、問い合わせフォームや比較表、ダウンロード資料などの「機能要件」は、サイト制作時に決め打ちされ、その後ほとんど見直されないことが多くあります。定期的にチェックリストで棚卸しすることで、「今の顧客行動に合ったサイトかどうか」を確認できます。
5. スマホで見たときにストレスなく閲覧できるか(レスポンシブ対応)
現在、多くの業種でアクセスの半分以上がスマホからです。以下を実際に自分のスマホで確認してください。
- 文字が小さすぎて拡大しないと読めない
- ボタンが小さくてタップしづらい
- メニューがどこにあるか分からない
- 画像が画面からはみ出している
- 電話番号をタップすると、そのまま発信できるようになっているか
業種によっては、ほとんどの新規見込み客がスマホ経由というケースもあります。その場合、「スマホで見やすいかどうか」は、名刺よりも先にチェックされる“第一印象”になります。
チェックポイント
- スマホでトップページから「問い合わせ」までストレスなくたどり着けますか。
- レスポンシブ対応(画面サイズに応じてレイアウトが自動調整される仕様)になっていますか。
- フォントサイズ・行間・ボタンの大きさが、指での操作を前提にデザインされていますか。
スマホでの使い勝手は、SEO(検索順位)にも直結します。最優先で確認・改善したい項目です。
6. 重要な情報に3クリック以内でたどり着けるサイト構造になっているか
訪問者は、迷うとすぐに離脱してしまいます。「何がどこにあるか」がひと目で分かるサイト構造になっているかを確認しましょう。
- 上部メニュー(グローバルナビ)に、主要なページが整理されているか
- トップページから重要なページ(サービス内容、料金、事例、お問い合わせ)まで、3クリック以内で到達できるか
- パンくずリスト(トップ > サービス > ○○プラン など)が表示され、今どこにいるかが分かるか
ページ数が増えてきたサイトほど、「情報アーキテクチャ(情報の整理・構造化)」の見直しが必要になります。カテゴリの切り方やメニューの名称を利用者目線で分かりやすくするだけでも、離脱率が下がるケースは少なくありません。
チェックポイント
- 「このサイトで、いちばん見てほしいページ」へ、自分で3クリック以内に行ってみてください。迷いはありませんか。
- ページ数が増えすぎて、カテゴリ構造が崩れていませんか。
- グローバルナビ・フッターメニュー・サイトマップの役割分担が整理されていますか。
シンプルで分かりやすい構造ほど、ユーザーにも検索エンジンにも評価されやすくなります。
7. 会社情報・実績・お客様の声が分かるページが用意されているか
小さな会社ほど、「信頼できる会社かどうか」を慎重に見られます。その判断材料になるのが、次の情報です。
- 会社概要(住所・代表者・設立年・事業内容・許認可など)
- 代表メッセージ・スタッフ紹介
- 取引実績・導入事例・施工事例・制作事例など
- お客様の声(テキスト・写真・動画)
特にBtoBや高額商材では、「どんなお客様とどのくらいの期間、どのような成果を出してきたか」が重視されます。事例は「導入前の課題 → 導入の決め手 → 導入後の成果」というストーリーで整理すると、読み手が自分ごと化しやすくなります。
チェックポイント
- 「この会社は実在し、きちんと仕事をしている」と安心してもらえる情報が揃っていますか。
- お客様の声は、具体的な数値や変化(例:売上○%アップ、作業時間△時間削減など)まで書けていますか。
- 事例・実績ページは、業種やサービス別にカテゴリ分けされ、見たい情報にたどり着きやすくなっていますか。
BtoBでは特に、この「信頼情報」が不足しているだけで、問い合わせを躊躇されるケースがよくあります。
8. すべてのページに明確なお問い合わせ導線があるか
トップページだけに「お問い合わせ」ボタンを置いて満足していないでしょうか。実際には、サービス詳細ページや事例ページ、ブログ記事を読んで興味を持ち、「今、問い合わせようかな」と感じる人が多くいます。
チェックポイント
- すべてのページのヘッダーまたはフッターに、問い合わせボタンや電話番号、LINEボタンが設置されていますか。
- 文章の最後に、「お気軽にご相談ください」「無料で資料をお送りします」など、行動を促す一文とリンクがありますか。
- ボタンの色や文字が分かりやすく、「ここを押せば相談できる」と一目で分かりますか。
- 重要なページには、ページ途中にも「ミニCTA(小さな行動喚起)」を配置し、スクロール中でも行動しやすくなっていますか。
「どこからでもすぐ相談できる状態」をつくることが、コンバージョン率アップにつながります。
見込み客を逃さない「問い合わせ・コンバージョン」のチェック項目
せっかく興味を持ってくれた人を、最後の「問い合わせフォーム」で逃してしまっては非常にもったいないです。ここでは、コンバージョン(問い合わせ・申込など)を取りこぼさないためのポイントを確認します。
フォーム周りの最適化は「EFO(エントリーフォーム最適化)」と呼ばれ、専用ツールもあるほど重要視されています。小さな会社であっても、基本的な考え方を押さえるだけで、問い合わせ率が大きく改善することがあります。
9. フォーム項目は「本当に必要な項目」だけに絞られているか
フォーム項目が多いほど入力の手間が増え、離脱率が上がります。特に小さな会社では、「とりあえず全部聞いておきたい」と思いがちですが、最初のハードルを上げすぎないことが重要です。
チェックポイント
- 「会社名」「部署」「役職」「FAX番号」などは、本当に最初の段階で必要でしょうか。
- どうしても情報が必要な場合は、「必須」と「任意」を分けていますか。
- スマホで入力しやすいように、入力欄の幅やキーボード種別(電話番号は数字キーボードなど)は最適化されていますか。
- エラー表示は分かりやすく、どこを直せばよいか一目で分かるようになっていますか。
まずは「名前」「メールアドレス(または電話番号)」「お問い合わせ内容」くらいに絞り、後から必要に応じてヒアリングする方が、件数は増えやすくなります。
10. フォーム送信後のサンクスページで次の行動を案内しているか
フォーム送信後の「ありがとうございます」ページ(サンクスページ)は、単なるお礼で終わらせるのはもったいない場所です。
- 返信までの目安時間(例:1営業日以内にご連絡します)
- 迷惑メールフォルダに入ってしまう可能性と、その対処法
- 先に見ておいてほしい資料や事例ページへのリンク
- LINE登録やメルマガ登録など、継続接点をつくるための案内
サンクスページは、コンバージョンを計測する「到達ページ」としても機能します。アクセス解析ツールで「どの流入元・どのページから送信されたのか」を把握する起点にもなります。
チェックポイント
- 「これからどういう流れになるのか」を不安なくイメージできる内容になっていますか。
- 追加で見てほしい情報(よくある質問、事例、自己紹介ページなど)へのリンクはありますか。
- サンクスページへの到達を、Googleアナリティクスなどで「目標」として設定していますか。
サンクスページを整えることで、返信を待っている間の不安を減らし、成約率の向上にもつながります。
11. 電話・LINE・メールなど複数の連絡手段を提示しているか
人によって、「問い合わせしやすい手段」は異なります。
- すぐに話したい人:電話
- 仕事中で電話しづらい人:メール・フォーム
- 気軽に相談したい人:LINE・チャット
チェックポイント
- 電話番号は、スマホからワンタップで発信できるようになっていますか。
- LINE公式アカウントやチャットツールを利用している場合、目立つ場所にボタンを配置していますか。
- 「電話受付時間」や「返信までの目安時間」が明記されていますか。
- 「急ぎの方はこちら」「簡単な質問はLINEで」など、窓口ごとの使い分けが明示されていますか。
複数の選択肢を用意しておくことで、「問い合わせしたいけど、今はちょっと…」という障壁を下げることができます。
集客力を高める「コンテンツ・記事」のチェック項目
広告やSEOで人を集めても、「読む価値のあるコンテンツ」がなければ、信頼は得られません。小さな会社こそ、現場の知見を活かしたコンテンツで差別化しやすくなります。
コンテンツは、単に「記事の数を増やすもの」ではなく、「見込み客の理解度や検討度合いに応じて、不安や疑問を一つずつ解消していくもの」です。その意味で、ここでのチェック項目は、カスタマージャーニーの各段階をカバーできているかどうかを確認するものでもあります。
12. 顧客の「よくある質問」に答えるコンテンツがあるか
日々、お客様からどんな質問を受けているでしょうか。
- 料金や納期に関する質問
- 他社との違い・選び方に関する質問
- 導入前の不安(失敗したらどうしよう、効果が出るか心配など)
- 導入後の使い方・メンテナンス方法
これらを「よくある質問(FAQ)」ページやブログ記事としてまとめておくことで、見込み客の不安を事前に解消できます。営業現場でいつも説明していることを文章化するイメージです。
チェックポイント
- 現場でよく聞かれる質問を10〜20個ほどリストアップし、その答えをサイトに掲載していますか。
- FAQページだけでなく、1つの質問を1記事として掘り下げたコンテンツになっていますか。
- 「ネガティブな質問(クレーム・リスク・デメリット)」にもきちんと答えていますか。
「質問に誠実に答えてくれる会社」という印象は、信頼と問い合わせにつながります。
13. 比較表・料金表・事例記事など、検討を後押しする情報があるか
購入・申し込みを検討している人は、「自分に合うかどうか」を判断したいと思っています。その判断を助けるのが、次のようなコンテンツです。
- 自社プラン同士の比較表(ライトプラン vs スタンダードプラン など)
- 他社サービスとの比較の考え方(何を基準に選ぶべきか)
- 料金表・料金シミュレーション
- 導入事例・体験談(導入前の課題 → 導入後の変化)
BtoBでは特に、「導入プロセス(問い合わせ〜提案〜導入〜サポート)」をフロー図で見せたり、「よくある失敗例とその回避策」をまとめたホワイトペーパーを用意する会社も増えています。
チェックポイント
- 価格がまったく出ていないために、「高そう」「問い合わせしづらい」と思われていませんか。
- 「どんな人に向いていて、どんな人には向いていないか」を正直に書いていますか。
- 比較表や料金表がPDFや資料としてダウンロードできるなど、「社内で共有しやすい形式」でも用意されていますか。
検討を後押しする情報が丁寧に書かれているほど、「ここまで出してくれるなら信頼できる」という印象につながります。
14. ブログ・コラムなどを継続更新する仕組みがあるか
更新が何年も止まっているブログは、「この会社、ちゃんと動いているのかな?」という不安を与えてしまいます。
とはいえ、小さな会社で毎日更新する必要はありません。重要なのは、「無理なく続けられる仕組み」をつくることです。
チェックポイント
- 1〜2ヶ月に1本でもよいので、「更新し続ける」ペースが決まっていますか。
- テーマを毎回ゼロから考えるのではなく、「よくある質問」「事例」「新サービス紹介」など、記事の型をあらかじめ決めていますか。
- 担当者を1人に固定するのではなく、現場メンバーからネタを集める仕組みがありますか。
- 更新予定を簡単なコンテンツカレンダー(スプレッドシートなど)で共有していますか。
継続更新されたブログ・コラムは、SEOにもプラスに働き、見込み客との接点づくりにも役立ちます。
15. 「認知→比較→検討」の各段階を想定したコンテンツが揃っているか
顧客は一足飛びに問い合わせするのではなく、次のような段階を踏んでいきます。
- 認知:問題に気づき、情報を集め始める段階
- 比較:複数の選択肢を比べている段階
- 検討:ほぼ候補を絞り込み、最後の一押しを求めている段階
それぞれの段階に合わせたコンテンツがあるか確認しましょう。
- 認知向け:お役立ちコラム、初心者向けガイド、チェックリスト記事 など
- 比較向け:他社との違い、選び方のポイント、費用対効果の解説 など
- 検討向け:事例・お客様の声、よくある質問、具体的な流れ、保証内容 など
これは「カスタマージャーニー」を簡易的に設計するイメージです。それぞれの段階のユーザーが、「自分は今どの段階にいて、このページを読んだ後に何をすればよいか」が分かるように導線を考えることが大切です。
チェックポイント
- 自社サイトのコンテンツを、「認知」「比較」「検討」に分類してみてください。どの段階のコンテンツが不足していますか。
- 特に「検討」段階の人に向けた、背中を押すコンテンツ(事例、FAQ、実績紹介)は充実していますか。
- 「認知」段階向けコンテンツから、「比較」「検討」向けコンテンツへの内部リンクが自然につながっていますか。
3つの段階を意識してコンテンツを揃えることで、「読み終わったら次に何をすればよいか」が自然と伝わるサイトになります。
検索からの集客を強くする「SEO」のチェック項目
広告費を大きくかけられない小さな会社にとって、SEO(検索エンジン最適化)は、中長期的な集客の柱になります。「web集客 チェックリスト」のようなキーワードで上位表示を狙う場合も、基本の押さえ方は同じです。
SEOは大きく「内部対策(サイト構造やHTMLの最適化)」「コンテンツSEO(記事・ページの質と量)」「外部対策(被リンク・言及)」の3つに分かれますが、小さな会社がまず取り組むべきなのは、「誰のどんな検索に答えるページなのか」を決めることと、「その期待に応える内容・構造を整えること」です。
16. 主要ページに狙うキーワード(例:web集客 チェックリスト)を明示しているか
1ページで何でもかんでも狙おうとするのではなく、「1ページ1キーワード(1テーマ)」が基本です。
チェックポイント
- 「このページは、『web集客 チェックリスト』というキーワードで検索されたい」と言い切れるページがありますか。
- そのキーワードを、ページの企画段階で決めていますか。後から「とりあえず入れておこう」と埋め込んでいる状態になっていませんか。
- 検索ボリューム(どれくらい検索されているか)と競合状況を、簡単なツール(キーワードプランナー等)で確認したことがありますか。
キーワードは、ユーザーの検索意図(何を知りたくて検索したか)を表すものです。その意図にしっかり答える内容になっているかどうかが最重要です。
17. タイトル・見出し・本文にキーワードを自然な形で入れているか
狙うキーワードが決まったら、次は「どこに」「どのように」入れるかです。不自然に詰め込むのではなく、「読んでいて違和感がないこと」が大前提です。
チェックポイント
- ページタイトル(titleタグ)にキーワードが入っていますか。
例:「小さな会社のためのWeb集客チェックリスト 今すぐ確認したい20項目」 - H1見出し(ページの一番大きな見出し)にも、同じキーワードを自然な形で含めていますか。
- いくつかの小見出し(H2、H3など)と本文中にも、違和感のない範囲でキーワードや関連語が散りばめられていますか。
- metaディスクリプション(検索結果ページに表示される説明文)にも、キーワードとユーザーへのベネフィットが簡潔に書かれていますか。
「読者にとって分かりやすい文章」を書いた結果として、キーワードが適度に含まれている状態が理想です。
18. ページの読み込み速度と表示スコアを確認・改善しているか
ページの表示が遅いと、それだけで離脱率が上がります。Googleもページ速度をランキング要因の一つとして評価しています。
チェックポイント
- 「PageSpeed Insights」などの無料ツールで、サイト速度を計測したことがありますか。
- 画像のサイズが大きすぎないか(必要以上に高解像度の画像を使っていないか)確認していますか。
- 不要なプラグインやスクリプトがサイトを重くしていないか、制作会社や管理担当と定期的に見直していますか。
- サーバーのレスポンス速度や、キャッシュ設定(ブラウザキャッシュ・CDNなど)について、最低限の確認をしていますか。
スマホで3秒以上待たされると、多くのユーザーが離脱すると言われています。最低限、「普通にストレスなく表示される」レベルには整えておきましょう。
19. 重要ページ同士を内部リンクでつないでいるか
内部リンク(自社サイト内のページ同士をつなぐリンク)は、SEOとユーザビリティの両方で重要です。
チェックポイント
- 関連する記事同士を、「関連記事」「あわせて読みたい」などの形でリンクしていますか。
- 重要なページ(サービス紹介、事例、料金、お問い合わせ)へのリンクが、各記事やページの中に自然に挿入されていますか。
- パンくずリストやカテゴリーページが機能しており、サイト内を回遊しやすくなっていますか。
- 古い人気記事から、新しい重要ページへも内部リンクを追加し、「古い資産」を活かせていますか。
内部リンクを整理することで、ユーザーが欲しい情報にたどり着きやすくなり、検索エンジンにも「このサイトの構造」と「重要なページ」が伝わりやすくなります。
効果を数字で確認する「分析・改善」のチェック項目
最後に、「やりっぱなしにしない」ための仕組みです。小さな会社でも、最低限の分析環境と改善サイクルを持つことで、限られた予算・時間から最大の成果を引き出せます。
分析は、難しい統計処理まで行う必要はありません。「どこから来て、どのページを見て、どのくらい問い合わせにつながったか」が分かれば、多くの改善ポイントが見えてきます。
20. アクセス解析ツールと目標(コンバージョン)設定をしているか
「アクセスがどれくらいあるのか」「どのページから問い合わせが多いのか」を知らずに施策を続けても、改善のしようがありません。
チェックポイント
- Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールは導入されていますか。
- 「問い合わせ完了ページ」や「資料ダウンロード完了ページ」をコンバージョン(目標)として設定していますか。
- 月に1回以上、「アクセス数」「問い合わせ数」「よく見られているページ」「離脱率の高いページ」を確認していますか。
- 簡単でよいので、「今月の数字」と「先月・昨年同月の数字」を比較し、増減理由をチームで話し合っていますか。
「どのページから何件問い合わせがきているか」が分かるだけでも、改善の優先順位がはっきりします。
まず何から直すかを決めるための「優先度の付け方」
20項目すべてを一度に直そうとすると、途中で疲れてしまいます。小さな会社では、「効果が大きいところから、順番に」直していくことが重要です。
おすすめの優先順位
- 戦略・ターゲット設定(1〜4)
ここが決まらないと、他の施策がちぐはぐになります。 - サイト全体の土台(5〜8)
どれだけ集客しても、土台が悪ければ問い合わせにつながりません。 - 問い合わせ・コンバージョン(9〜11)
すでにあるアクセスからの成果を最大化します。少ない工数で効果が出やすい部分です。 - コンテンツ・記事(12〜15)
中長期で効いてきます。現場の時間と相談しながら、無理なく増やしていきます。 - SEO対策(16〜19)
コンテンツやサイト構造とセットで考えるべき項目です。 - 分析・改善(20)
毎月の振り返りの場をつくり、「1〜19」のどこを優先的に見直すか決めていきます。
この順番は、「戦略 → 仕組みづくり → 集客 → 育成・成約 → 分析改善」という流れに沿っています。一足飛びにSEOや広告から着手するのではなく、「まずは土台とゴール設定」という順番を守ることで、ムダ打ちを防げます。
小さく始めて回す改善サイクル
具体的には、次のようなステップをおすすめします。
- ステップ1:20項目を「◎できている」「△一部できている」「×できていない」で自己評価する
- ステップ2:その中から「×」がついた項目で、上記の優先順位が高いものを3つだけ選ぶ
- ステップ3:選んだ3つを、向こう1〜2ヶ月で改善する「小さなプロジェクト」として進める
- ステップ4:改善後に、問い合わせ数やアクセス数の変化を簡単に振り返る
このサイクルを回し続けることで、少しずつですが確実にWeb集客の力がついていきます。いわゆるPDCAサイクルを、難しく考えすぎず「毎月の簡単な振り返り」として組み込むイメージです。
明日から実行するためのチェックリスト活用のコツ
この記事の「web集客 チェックリスト」を机上の理論で終わらせないために、次のような活用方法をおすすめします。
1. 紙に印刷して、赤ペンでチェックする
画面上では流し読みになりがちです。印刷して、1項目ずつ声に出しながら、「できている/できていない」をチェックしてみてください。紙に書き込みながら確認することで、「ここは制作会社に確認する」「ここは自社で今月中に直せる」といったタスクも整理しやすくなります。
2. 社内のメンバーと一緒に見る
経営者だけ、担当者だけで判断すると、現場感覚とのズレが出てきます。営業やサポート担当など、顧客と接しているメンバーと一緒に見て、「お客様から見てどうか?」を話し合う場をつくると、気づきが増えます。特に「よくある質問」「強み」「競合との違い」といった項目は、現場メンバーの声が非常に重要です。
3. 「今月やることリスト」に3つだけ落とし込む
20個全部をやろうとするのではなく、「今月はこの3つをやる」と決めて、スケジュールに組み込んでください。
例:
- 今月:問い合わせフォームの項目削減(9)とサンクスページ改善(10)
- 来月:会社情報ページ・お客様の声の充実(7)
このように、月ごとにテーマを決めて取り組むと、着実に前進します。
4. 「完璧」より「まずは形にする」
最初から完璧なペルソナやコンテンツを作ろうとせず、「現時点のベスト」で一度形にし、実際の反応を見ながら少しずつ改良していきましょう。Webは「つくって終わり」ではなく、「育てていく」ものです。半年〜1年単位で「前のバージョン」と比べてどう良くなったかを振り返ると、小さな改善の積み重ねを実感できます。
5. 半年〜1年ごとに再チェックする
市場環境や自社の戦略は変わっていきます。半年〜1年に一度、このチェックリストを使って再点検し、「今の戦略・現場」に合っているかを見直してください。新サービスの開始、ターゲットの変更、広告チャネルの追加など、ビジネスの変化があったタイミングでも、同様にチェックリストで棚卸しすることをおすすめします。
まとめ:小さな一歩からWeb集客の土台を強くする
この20項目の「web集客 チェックリスト」は、小さな会社でも、今あるサイトを活かしながら着実に成果を高めるための土台になります。一度で完璧を目指すのではなく、「今日はこの1項目だけ直す」といった小さな一歩から始めてみてください。継続して見直していくことで、Web集客は必ず強くなっていきます。
この記事で挙げた20項目は、「アクセスを増やす」ことよりも前に押さえておきたい、Web集客の土台づくりの視点を一通り整理したものです。戦略・ターゲット設定からサイト構造、問い合わせ導線、コンテンツ、SEO、分析までを一枚の地図として眺めることで、「どこができていて、どこが抜けているのか」が見えてきます。
一気にすべてに手を出す必要はありません。まずは印刷するなどして、3段階評価で現状を書き出し、「×が付いた項目」かつ「優先度が高い領域」から3つだけ着手してみてください。フォームや導線の見直しのように、比較的少ない労力で反応が変わりやすい箇所もあります。
Web集客は、派手な一発逆転ではなく、小さな改善を積み重ねていく長距離走に近い取り組みです。このチェックリストを半年〜1年おきに見直しながら、自社のサイトを少しずつ育てていけば、「なぜこの施策をやるのか」「どこを変えると数字が動くのか」が徐々に掴めるようになっていきます。