マーケ担当のルーチンワークを見直して時間を生み出す方法

気づけば1日がルーチンワークで埋まり、肝心の戦略や企画を考える時間がとれない——そんな感覚を抱くマーケ担当は少なくありません。メール配信、レポート作成、社内調整…。積み重なった「当たり前の作業」を丁寧に見直すだけで、思った以上にまとまった時間が戻ってきます。本記事では、その具体的な手順と考え方を整理しました。

目次

マーケ担当のルーチンワークを見直して時間を生み出す方法

この記事でわかること

  • 「ルーチンワークが多すぎる」と感じているマーケ担当が、何から手をつければよいか
  • 自分の時間を奪っている業務の正体と、その減らし方
  • ツール導入・外注に失敗しないための考え方

なぜ、マーケ担当はいつも時間が足りないのか

マーケティング業務の8割が「ルーチンワーク」になっていないか

日々のメール配信、レポート集計、社内調整といった定型作業が膨らみ、戦略検討の時間を圧迫しているケースが多く見られます。
とくにデジタルマーケティングが拡大して以降、チャネルとデータが増えたことで「配信設定」「タグ確認」「リスト抽出」「数字の転記」といった細かな作業が雪だるま式に増えています。その結果、1日の大半を「考える仕事」ではなく「処理する仕事」に費やしてしまいがちです。

調査では、マーケティング部門の業務のうち、生成AIなどで自動化可能なルーチン領域が7〜8割に達するとも言われています。本来はこの部分を見直すだけで、かなりの時間を捻出できる可能性があります。

戦略より“オペ対応”に追われる日本企業のよくある構造

承認フローの不備や属人化によって手戻りが発生し、常に対応優先になりがちです。小さな改善を積み重ねる前に、日々のオペレーションで時間が埋まってしまいます。

日本企業では「ミスを出さないこと」が優先されやすく、メール1通、クリエイティブ1本にも多段階の承認が入るケースが典型的です。誰がどこまで確認し、どこで最終承認するのかが決まっていないと、「とりあえず上長に回す → さらに上長へ → 法務・ブランドチェックやり直し」といった負のループが発生します。

また、過去の経緯を知っている特定の担当者にノウハウが集中し、その人しか判断できない状態(属人化)になると、問い合わせ対応・確認依頼がその人に集中します。その結果、その人が“問い合わせ窓口”となり、本来のマーケティング業務に割く時間がさらに削られてしまいます。

放置すると何が起こるのか(成果・キャリア・組織への悪影響)

この状態を放置すると、施策の質低下、成長機会の喪失、担当者の燃え尽きや離職リスクにつながります。

目先のオペレーションに忙殺されると、顧客インサイトの深掘りや新しい打ち手の検証に時間を割けません。その結果、打つ施策が「前年踏襲」「他社の後追い」になりやすく、成果の頭打ちを招きます。

個人レベルでは、担当者が「作業要員」として扱われ、戦略設計や意思決定の経験を積めないまま数年が過ぎてしまうこともあります。これはキャリアの広がりを狭めるだけでなく、モチベーション低下や燃え尽きにつながりやすい状態です。

組織としても、ルーチンを前提とした“守りの体制”から抜け出せず、DXや生成AI活用といった変革テーマに取り組む余力が生まれにくくなります。


まずは現状把握:「ルーチンワークの棚卸し」から始める

1週間あればできる、マーケ業務の見える化ステップ

最初のステップは、現在の業務を正確に把握することです。1週間ほど、毎日の業務を時刻と所要時間で記録し、週末に一覧化します。

業務を書くときのコツは「作業単位で記すこと」と「5分程度のタスクも必ず拾うこと」です。小さな繰り返しが合計で大きな時間を奪っているためです。あわせて「目的(何のための作業か)」「発生頻度(毎日/週次/月次など)」「関係者(誰とのやりとりか)」もメモしておくと、後で【やめる/簡素化/自動化/外注】の判断がしやすくなります。

1週間分を洗い出したら、「本当にマーケ担当がやるべき仕事か」「顧客価値や売上に直接つながっているか」という観点で色分けしてみてください。客観的に見ると、「なんとなく続けているだけの作業」が意外なほど多く見つかります。

ルーチンワークを3つに分類するチェックリスト

やめるべき業務

  • 成果に結びつかない定例会や資料
  • 参加しなくても誰も困らない会議
  • 読まれていない週次資料
  • 目的が曖昧な報告メール

こうした業務は、やめてもKPIに影響しない場合が多く、まず見直すべき対象です。

簡素化すべき業務

  • 案件ごとにゼロから作っている見積書・企画書・報告書
  • チェック漏れが多い作業(チェックリスト化で再発防止できるもの)

テンプレート化やチェックリスト化により、作業時間とミスをまとめて削減できます。

仕組み化・自動化すべき業務

  • エクセルでの手入力集計、同じ条件で繰り返すレポート作成
  • 特定のトリガー(資料請求、来店、申込など)に応じた定型メール送信
  • 集計・配信・定期報告などの繰り返し作業

「やめる」「簡素化」で削れない作業が、後にツールや外部活用で効率化すべき“本命のルーチン”になります。

マーケ担当の典型的なルーチン業務リスト

マーケティング担当の代表的なルーチン業務として、次のようなものがあります。

  • メール・SNS運用
  • レポート作成・数値集計
  • 社内調整・承認フロー対応
  • クリエイティブやコンテンツの素材手配
  • 各種データ入力・登録作業

加えて、多くの現場では次のような業務も時間を圧迫しています。

  • MAや広告管理画面からのデータ抽出とCSV整形
  • 各部門向けの、内容は同じだがフォーマットだけが異なるレポート作成
  • キャンペーンごとのLP・バナー差し替え申請と確認作業
  • 顧客からのよくある質問に対する定型回答の作成・更新
  • 営業部門・CS部門からの「この施策の背景を教えてほしい」「この数字の意味は?」といった問い合わせ対応

これらは一つひとつは小さな作業に見えますが、週単位で合計すると「丸1日以上を占めていた」というケースも珍しくありません。


時間を生み出すための「オペレーション設計」のコツ

ミスと手戻りを減らすための基本ルールづくり

時間を生み出すには、まずミスと手戻りを減らす必要があります。

承認フローについては、基本の型を決め、誰が最終判断を行うのかを明文化します。決裁基準を明確にすることで、無駄な差し戻しを減らせます。資料やクリエイティブは、フォーマットと要件をテンプレート化し、作成工数と品質を安定させます。

ポイントは「例外を前提にしないこと」です。通常ケースに対応する標準フローをまず決め、「法務チェックが必要な場合」「ブランドガイドラインに抵触しそうな場合」などは、オプションの分岐としてあらかじめルール化しておきます。

また、メールマーケティングなど、ミスが顧客体験に直結する領域では、「テスト配信先」「ダブルチェック項目(件名・差出人・リンク・配信リストなど)」をチェックリストに落とし込み、必ず運用フローに組み込むことで、事故リスクを大きく減らせます。

1人マーケ・少人数マーケでも回る仕組みの作り方

少人数でマーケティングを担当している場合は、「誰でも同じ品質でできる状態」を目標に、手順書や動画マニュアルを残しておくことが重要です。業務を小さな単位に分け、入れ替え可能な役割として設計します。

とくに少人数組織では、「属人化の解消=休める仕組みづくり」です。具体的には次のような設計が有効です。

  • 「案件発生〜配信完了」までを3〜5ステップ程度に分解する
  • 各ステップごとに「入力テンプレート」と「チェックポイント」を用意する
  • そのステップ単位で、他のメンバーや外部パートナーに業務を切り出せるようにする

生成AIを活用してマニュアルのドラフト作成や手順の整理を行い、人が最終調整する“ハイブリッド型”にすると、ドキュメント整備の負担も大きく減らせます。

成果につながるKPIと運用ルールのセットの作り方

オペレーション改善を継続させるには、ルーチン業務に適切なKPIを紐づけ、定期的に見直す仕組みが必要です。

たとえば、次のような指標を設定します。

  • メール配信1本あたりの準備時間
  • レポート提出の遅延件数
  • 承認の差し戻し率

これらを月次・四半期ごとにレビューすることで、「どの業務プロセスを見直すと最も効果が大きいか」を判断しやすくなります。数値で改善効果を示せれば、組織としても改善の継続がしやすくなります。

あわせて、「KPIが一定水準を下回ったらフローを見直す」「新しいツールを導入したら3カ月後に必ずレビューする」といった運用ルールを、あらかじめカレンダーに組み込んでおくと、改善サイクルが自然と回るようになります。


ルーチンワークを減らす「自動化」とツール活用の考え方

自動化の前に確認すべき3つのポイント

自動化やツール導入を検討する際は、次の3点を押さえておくことが重要です。

チェックポイント 確認する内容
1. 本当に必要な業務か そもそも「やめられないか」「頻度を下げられないか」を確認し、不要な業務を自動化しない。
2. 業務フローが整理されているか 担当者・手順・例外パターンが言語化されているか。あいまいなまま自動化すると、設定変更やトラブル対応に余計なコストがかかる。
3. 担当外でも運用・保守できるか 特定の担当者だけが扱える仕組みになっていないか。属人化しない運用体制をセットで設計できるかを確認する。

この3つをクリアした業務から、段階的にツール導入や自動化を進めていくと、無駄な投資や「導入したのに使われない」状態を避けやすくなります。


まとめ:ルーチンを前提にしない働き方へ

本記事では、マーケ担当の一日を埋め尽くしているルーチンワークを洗い出し、「やめる/簡素化/仕組み化・自動化」という3つの視点で見直す手順を整理しました。ポイントは、いきなり高機能なツールに飛びつくのではなく、まず現状を細かく棚卸しし、「本当にやる意味があるか」「マーケ担当が担うべきか」を一つずつ問い直すことです。

そのうえで、承認フローやテンプレート、チェックリストといった基本的なオペレーション設計を整え、誰が担当しても同じ品質で回せる状態をつくることが、属人化の解消と時間捻出につながります。

ルーチンを前提とした働き方から一歩抜け出し、「考える仕事」にあてる時間を少しずつでも増やしていくことが、施策の質や自身のキャリアの広がりに直結します。まずは1週間の業務記録から、小さな見直しを始めてみてください。

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この記事を書いた人

Webマーケティング業界10年以上のフリーランス。
「低コストでも、効果のあるWebマーケティング」をご提供することをモットーに、多岐にわたる業種の会社さまのご支援を行っております。
※2025年1月に法人化しました。