Webマーケティングの外注先と良い関係を保ちながら成果を出すコツ

目次

Webマーケティングの外注先と良い関係を保ちながら成果を出すコツ

この記事でわかること

  • なぜ「Webマーケティングの外注管理」がうまくいかないのか
  • 外注先と成果を出し続けるための具体的な管理ポイント
  • 自社でやるべきこと・外注すべきことの線引き

なぜWebマーケティングの外注管理は難しいのか

よくある失敗パターン

丸投げした結果、認識ズレが起きる

外注先にすべてを任せきりにすると、狙っている成果や優先度の食い違いが生まれやすくなります。とくに「人件費削減のための外注」なのか「売上拡大や新規チャネル開拓のための外注」なのかを共有していないと、外注側は運用効率を優先し、発注側は売上貢献を期待するなど、ゴールそのものがズレていきます。

施策がブラックボックス化して不安になる

日々の調整や細かな設定が社内に伝わらず、どの施策が有効か判断できなくなることがあります。広告入札の調整ロジックやSNS投稿の企画意図、SEOで狙っているキーワード群などが可視化されていないと、「なぜこの数字になっているのか」が説明できず、社内への説明責任も果たしづらくなります。

期待と成果のギャップが埋まらない

目標設定が曖昧だと、外注先が短期的に着手しやすい作業ばかり行い、根本的な成果につながらないケースが出ます。「とりあえずアクセスを増やしたい」とだけ伝えると、PVは伸びる一方で、問い合わせや売上にはつながらないコンテンツが量産されてしまう、といった状況が起こりがちです。

外注がうまくいく会社・いかない会社の決定的な違い

「目的」と「期待値」の共有度合い

外注先と「なぜやるのか」「何をもって成功とするか」を具体的に共有しているかが鍵になります。「半年で問い合わせ数◯件」「1年でオンライン経由売上◯%増」など、事業目標と紐づいたKPIを言語化し、レポートや定例ミーティングで継続的にすり合わせている企業ほど、外注パートナーも打ち手の優先順位をつけやすくなります。

社内に最低限必要なマーケティング理解

外注先を管理する担当者が基本的なKPIや流入経路の理解を持っていると、適切な判断と指示ができます。「広告 → LP → フォーム → 商談」といった顧客の流れや、SEO・SNS・広告・メールなどチャネルごとの役割分担を理解しているだけで、外注先からの提案を評価しやすくなり、「任せっぱなし」ではなく「一緒に設計する」関係に近づけます。
また、この最低限の理解がないと、どこまでを外注し、どこからを自社で担うべきかの線引きも曖昧になりやすくなります。


まず押さえておきたい:自社でやること・外注することの整理

自社が担うべき役割

事業戦略・数値目標の定義

売上目標やLTVなどを明示し、「広告からの売上を1年で◯%にする」「新規リードを月◯件獲得する」「既存顧客のアップセル率を◯%にする」といった事業KPIに落とし込みます。そのうえで、外注先の活動がどの数字に効いているのかを常に紐づけておきます。

ターゲットや強みの言語化

年齢・職種・課題感・意思決定プロセスなどのペルソナ情報や、「価格」「品質」「サポート体制」といった強みを、ドキュメントで共有できるレベルまで整理しておきます。これにより、広告コピーやコンテンツの精度が大きく変わります。

最終的な意思決定と優先順位づけ

広告・SEO・SNS・MAなど複数施策の中で、「今期はリード獲得を最優先」「今は認知よりもCV最大化」といった方針を決めるのは社内の役割です。ここが曖昧なままだと、外注先同士や、外注と社内の間で矛盾した施策が走ってしまいます。

外注に任せやすいWebマーケティング業務

  • Web広告運用(設計〜日々の最適化)
  • SNS運用(企画・投稿・分析)
  • SEO・コンテンツ制作
  • MA(マーケティングオートメーション)運用

これらは専門知識と運用リソースが必要なため外注に向いていますが、方向性は必ず社内で定める必要があります。

例えばMA運用では、ツールの初期設定やシナリオ設計、スコアリング設計などは高度な知見が必要なため外注すると効率的です。一方で、「どのセグメントの顧客を優先して育成したいか」「どういう状態になれば営業に引き渡すか」といった基準は自社が決めるべき領域です。

同様に、SEO記事制作やSNS運用も、記事テーマや投稿の方向性については事業計画と整合したガイドラインを社内で持っておくことが、外注活用の前提になります。


外注先選定で「管理しやすさ」を見抜くチェックポイント

どのタイプの外注パートナーを選ぶべきか

総合マーケティング企業を選ぶケース

広告・SEO・SNS・MAなど複数チャネルをまとめて任せたい場合や、「戦略設計〜実行〜分析」まで一気通貫でお願いしたい場合に適しています。窓口が一本化されるためコミュニケーションやPDCAの管理はしやすくなりますが、その分、依頼側にも全体像を理解して評価する視点が求められます。

特化型企業(SEO・SNSなど)を選ぶケース

すでに全体戦略は社内で固まっており、「SEOでの流入を伸ばしたい」「SNSでの認知とエンゲージメントを高めたい」など明確なテーマがある場合に適しています。専門性が高い一方で、他チャネルとの連携をどう設計するかは発注側が主導する必要があります。

コンサル型と制作・運用型の違い

コンサル型は市場調査や顧客分析、KPI設計など上流工程に強みがあり、社内にマーケティングの戦略人材が不足している場合に有効です。
一方、制作・運用型は広告入稿・クリエイティブ制作・記事執筆・MAのシナリオ実装など日々の運用を高速に回してくれる存在で、「決めた戦略を手と足となって動かしてほしい」場合に適しています。

自社の不足領域が「考える人材」なのか「動く人材」なのかを明確にしてから選ぶことで、ミスマッチを減らせます。

契約前に必ず確認したい3つのポイント

レポートやミーティングの頻度・形式

週次・月次の報告レベルを明確にしておきます。「週次は運用状況と短期改善案、月次はKPI達成度と次月の戦略方針」といった粒度を事前に取り決め、報告フォーマットのサンプルも見せてもらうと、運用開始後のギャップを減らせます。オンライン会議かチャットベースかなど、コミュニケーションチャネルも確認しておきましょう。

KPI・評価指標の設計の仕方

成果をどう測るか、測定方法まで合意しておきます。「問い合わせ数」「CVR」「CPA」などの一次指標だけでなく、「MQL/SQL数」「商談化率」「LTV」など事業に近い指標をどこまで追うかを話し合います。また、アクセス解析ツールやMA、CRMなど、どのデータを基準に評価するかを揃えておくことも重要です。

担当者の体制(専任か、チームか)

一人の専任担当がつくのか、社内の専門チームで分担するのか、繁忙期に体制をどう拡張できるのかを確認します。担当者変更のルール(どの程度の期間でローテーションがあり得るか)や、1社あたりの想定稼働時間も聞いておくと、サポート品質を見極めやすくなります。


外注先と成果を出すための「コミュニケーション設計」

最初の3ヶ月でやるべきコミュニケーション

キックオフで必ず共有したい情報

事業背景、ターゲット、過去の施策と結果、優先順位は必ず共有します。
これに加え、「外注を導入した理由(人手不足なのか、専門知識不足なのか)」「社内の意思決定フロー」「NGになりやすい条件(法規制・コンプラ・社内ルール)」も初回で共有しておくと、その後のやり取りがスムーズになります。

目標・KPIのすり合わせ方法

短期・中長期の目標を分け、測定方法も明確にします。例えば「3ヶ月でCPA◯円以内を達成」「半年でオーガニック流入を◯%増」「1年でオンライン経由売上◯%増」といった短期〜中長期の目標を施策ごとに整理します。同時に、途中経過として追うべき中間KPI(クリック数、セッション数、エンゲージメントなど)も決めておきます。

NG例・OK例を共有する重要性

ブランドトーンや受け入れられない表現の具体例を伝えることで手戻りを減らせます。一度作成されたクリエイティブや記事に対し、「ここが良かった」「ここはNG」といったコメントを初期の段階から丁寧に返すことで、外注先がブランド理解を深めやすくなります。社内で過去に問題になった表現や、他社の好事例・悪い事例を共有するのも有効です。

日々の外注管理で押さえるべきポイント

ミーティングの頻度とアジェンダ例

週次で運用課題、月次で戦略評価と改善計画を確認します。
週次では「前週のKPIの振り返り」「今週の変更点とテスト計画」「必要な社内決裁事項」を中心に、30分〜1時間程度で回すと負担が少なく継続しやすくなります。月次では「全体KPIの達成度」「チャネル別の貢献度」「今後3ヶ月の重点施策」を共有し、必要なら予算配分の見直しも議論します。

チャット・ドキュメントの使い分け

速報はチャット、決定事項や要件はドキュメントで記録します。日々の細かな相談や速報値の共有はチャットで素早く行い、KPIや方針の変更、配信停止の判断などは必ずドキュメントと議事録に残しておくことで、後から「なぜこの判断になったか」を再現できるようにします。

修正依頼の伝え方とフィードバックのコツ

事実ベースで、期待した結果と乖離点を示し、改善案も合わせて提示します。「なんとなく違う」ではなく、「クリック率は高いがCVRが低いので、訴求を◯◯寄りから◯◯寄りに変えたい」といった形で、数字や事実をベースにフィードバックします。外注側が「次回どう変えればよいか」を具体的にイメージできるレベルまで伝えられると、改善サイクルが速くなります。


成果を見える化する「外注管理」の実務

何をどこまで数字で追うべきか

Web広告運用の基本KPI

CTR、CVR、CPA、ROAS、インプレッション数を基本KPIとして追います。これらに加えて、キーワード別・クリエイティブ別の成果も見ておくと、どの訴求・どのターゲットが効いているかが明確になります。媒体横断で比較できるよう、KPIの定義を揃えておくことがポイントです。

SNS運用・コンテンツマーケティングの指標

エンゲージメント率、リーチ、セッション数、コンバージョン数などを確認します。フォロワー数やいいね数だけでなく、「サイト流入」「資料請求」「メルマガ登録」などビジネスに近い指標まで追うことで、経営層にも説明しやすくなります。投稿タイプ(ノウハウ系、事例紹介、キャンペーン告知など)別の成果も把握しておくと、コンテンツの方向性を絞り込みやすくなります。

MA運用・リード育成の指標

リード数、MQL/SQL、リードスコア平均、商談化率を中心に追います。MAでは「どの施策から獲得したリードが高スコア・高商談化率なのか」「どのシナリオがナーチャリングに効いているのか」を見える化します。SFAやCRMと連携して、受注率やLTVまで追えるようにしておくと、マーケティング投資の妥当性を判断しやすくなります。

レポートを「読むだけ」で終わらせないコツ

レポートから見るべき3つのポイント

トレンド(増減)、因果(なぜ増減したか)、次のアクション(何を変えるか)の3点に注目します。単月の数字だけではなく、「3ヶ月〜半年の推移でどう変化しているか」を確認し、外部要因(季節要因、アルゴリズム変更、競合施策)と内部要因(予算変更、クリエイティブ変更)を切り分けて考えます。

外注先に投げるべき質問例

「この変化の主因は何ですか?」「代替施策は何がありますか?」といった質問を投げかけます。さらに、「もし予算が◯%増えたら/減ったら、どの施策をどう変えますか?」「この施策を継続する/止める判断基準は何ですか?」と問いかけることで、外注先からより具体的な改善案や優先順位の提案を引き出せます。

施策改善につなげるための会話術

仮説 → 検証計画 → 期限をセットし、責任の所在を明確にします。「このクリエイティブが若年層に刺さっていないのでは」「このシナリオが離脱ポイントになっているのでは」といった仮説を一緒に立て、それを検証するためのA/Bテストや期間、担当者を決めておきます。次回の定例で「結果 → 次の打ち手」まで必ず話すことで、継続的な改善サイクルが回ります。


ブラックボックス化を防ぐための工夫

「丸投げ」にならない最低限の関与のしかた

週・月単位で確認すべき情報

実施施策、主要KPI、次週の優先タスクは定期的に確認します。「今どの施策にどれだけの工数と予算が投入されているか」「次に何を優先してやるのか」を、少なくとも週1回は把握しておきます。外注側にも、次回定例までに共有すべき情報をテンプレート化してもらうと、確認がルーチン化しやすくなります。

社内で把握しておくべき設定項目・アカウント情報

広告アカウント、解析ツールの権限、CMSやMAの管理者情報などは、外注先だけが持つ状態を避け、必ず社内にも管理権限を保持しておきます。担当者変更や外注先の切り替え時に備え、パスワードや権限管理のルールを社内でドキュメント化しておきましょう。

ノウハウを社内に蓄積する仕組み

レポート・議事録の残し方

フォーマットを統一し、決定事項はアクションに落とし込みます。「背景」「実施内容」「結果」「考察」「次のアクション」といった構成でレポートを統一し、議事録には「誰が・いつまでに・何をするか」を明確に書き残します。これがそのまま社内ナレッジとして活用できるようにしておくことが重要です。

外注先から学びを引き出す質問リスト

施策の狙い、最適化のロジック、将来有効と思われる施策について、定期的に質問します。「なぜこの媒体・この配信設定を選んだのか」「他社で成果が出ている施策にはどんなパターンがあるか」「今は予算がなくても将来やるべきと考えている施策は何か」といった質問を投げることで、単なる結果報告ではなくノウハウ共有の場にできます。

将来の内製化も見据えた情報共有

手順書やテンプレート、運用フローを定期的に更新し、受け渡し可能な状態にしておきます。広告の入稿手順やレポート作成手順、MAのシナリオ設計・実装フローなどをマニュアル化してもらい、四半期ごとに最新版にアップデートしてもらうことで、いざ内製化やパートナー変更を行う際にもスムーズに移行できます。


コストと成果のバランスを取る外注管理術

予算と期待成果のリアリティチェック

予算ごとにできること・できないこと

月数十万円規模であれば、チャネルを絞ってテストと学習を重ね、成果が見えた施策に投資を集中させる運用が現実的です。
一方で月数百万円以上の規模であれば、広告・SEO・SNS・MAなどを組み合わせた「全体設計+並行テスト」に取り組むことが可能になります。

短期で見るべき数字・中長期で見るべき数字

短期はCPAやCV数、中長期はLTVやリード育成の商談化率といった指標を重視します。広告など即効性のある施策は、短期的にはCPA・CV数・ROASを、数ヶ月〜1年スパンではLTVやリピート率、アップセル率まで含めて評価します。SEOやコンテンツ、MAなどは成果が出るまで時間がかかるため、中間KPI(流入数、滞在時間、開封率、クリック率など)を設定して進捗を評価することが重要です。

見直しのタイミングと打ち手

外注継続・変更・追加投資を判断するタイミング

目標未達が継続的に続く場合、3ヶ月区切りで評価するのが現実的です。デジタル施策はテスト〜学習〜最適化に一定の時間がかかるため、単月で判断せず、四半期単位で「目標とのギャップ」「改善のトレンド」「提案の質」を総合的に評価します。目標以上の成果が出ている場合は、追加投資や施策拡大を検討するタイミングにもなります。

成果が出ていないときの見直しステップ

原因分析 → 小規模な修正施策 → 再評価というステップで進めます。
原因分析では、「戦略がそもそも間違っているのか」「実行の質が低いのか」「予算や制約条件が厳しすぎるのか」を切り分けます。そのうえで、クリエイティブ変更やターゲット変更など小さな改善から始め、それでも改善が見られない場合に、体制変更やパートナー変更を選択肢に入れます。


外注先と「長く良い関係」を築くために

信頼関係を強くする小さな工夫

感謝・評価を伝える場づくり

良い結果や改善提案があったときは必ず評価を伝え、インセンティブ的な関係をつくることで、継続的な協力を得やすくなります。数字が良かった月や、社内での評価が高かった施策については、「経営会議で好評だった」「営業からのフィードバックが良かった」など、具体的な声を共有すると、外注先のモチベーション向上にもつながります。

Webマーケティングの外注は、「全部任せる」か「全部自社で抱えるか」の二択ではありません。事業戦略や数値目標、ターゲット像や自社の強み、チャネル全体の優先順位といった「方向を決める部分」は社内が握り、そのうえで専門性と工数が必要な運用や制作を外部に任せる。この役割分担が明確になっているほど、外注との連携はスムーズになります。

その前提を踏まえたうえで、外注先選びでは「どの領域を任せたいのか」「自社に足りないのは戦略か運用か」をはっきりさせ、レポートやミーティングの頻度・KPI設計・担当体制を事前にすり合わせておくことが欠かせません。契約後は、キックオフで背景や期待値、NG例・OK例を丁寧に共有し、週次・月次の定例を通じて、数字の変化だけでなく「なぜそうなったか」「次に何を試すか」を一緒に考える場を持ち続けることがポイントです。

また、「丸投げ」やブラックボックス化を避けるために、アカウントや設定情報の権限は必ず社内でも管理し、レポートや議事録を統一フォーマットで蓄積していくことで、外注からの知見を社内ナレッジとして残せます。短期的にはCPAやCV数、中長期にはLTVや商談化率といった指標で投資対効果を確認し、少なくとも3ヶ月単位で「目標とのギャップ」「改善のトレンド」「提案の質」を見直していく姿勢が大切です。

最終的に、外注との関係は「発注者と受託者」ではなく、「同じゴールに向かうチーム」として育てていけるかどうかにかかっています。

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この記事を書いた人

Webマーケティング業界10年以上のフリーランス。
「低コストでも、効果のあるWebマーケティング」をご提供することをモットーに、多岐にわたる業種の会社さまのご支援を行っております。
※2025年1月に法人化しました。