ホームページを作ったのに集客できない時に見直すべき3つの視点

目次

なぜ「ホームページを作ったのに集客できない」のか?

「作ればお客さんが来る」は間違い

「ホームページを作ったのに集客できない」。そんなモヤモヤを抱えながら、検索でこのページにたどり着いたのではないでしょうか。デザインも整え、スマホでもスムーズに見られるようにした。制作会社にもそれなりの費用を払った。それなのに問い合わせは増えず、「本当に意味があったのか」と感じている方は少なくありません。

よくある誤解が、「ホームページを公開すれば、お客さんが自然と集まるはず」という考え方です。実際には、制作を終えた段階はスタート地点に立ったにすぎません。「ホームページを作ったこと」と「ホームページから集客できている状態」はまったく別の話です。

この記事では、「ホームページ 作った 集客できない」と検索してしまう状況から抜け出すために、どこに原因があり、どこから手をつければよいのかを、3つの視点に分けて整理します。専門用語をできるだけ避け、中小企業や個人事業の現場でもそのまま実践しやすい考え方と手順だけに絞って解説していきます。自社サイトを開きながら、一緒にチェックしてみてください。

ホームページを作ったのに、問い合わせがほとんど増えない。
「デザインもきれいだし、スマホ対応もしているのになぜ?」と感じていないでしょうか。

ここで押さえたいのは、次の2点です。

  • ホームページ制作は、あくまで集客のスタートラインに立ったにすぎないこと
  • 「ホームページを作ること」と「ホームページで集客できる状態」は、まったく別物であること

現実には、多くの中小企業や店舗で次のような流れが起きています。

  1. 制作会社や知人に頼んでホームページを作る
  2. 公開した直後だけ少しアクセスがある
  3. 更新もせず、特に集客施策も行わないまま数ヶ月放置
  4. 「ホームページ 作った 集客できない」と検索し始める

つまり、「作れば勝手にお客さんが来るだろう」という前提で止まってしまっているのです。

背景として、日本の中小企業では「ホームページ=会社案内」で止まり、運用に予算や人を割いていないケースが非常に多くあります。制作会社側も「作る」ことまでは支援しますが、「集客・改善を続ける前提の設計」までは踏み込めていないことが少なくありません。

ホームページで集客するには、次の3つをそろえる必要があります。

  • 誰に・何を伝えるのかという設計(ターゲット・提供価値の言語化)
  • 見つけてもらうための露出(SEO・SNS・MEO・口コミなど複数チャネル)
  • 来てくれた人に行動してもらうための導線と信頼づくり(UX・事例・実績)

さらに言えば、これらをアクセス解析や問い合わせ数といった「数字」を見ながら継続的に改善する体制を整えてはじめて、「集客できるホームページ」が育っていきます。

集客できないホームページに共通する3つの問題

「ホームページを作ったのに集客できない」ケースには、典型的な3つの問題が重なっていることが多くあります。

  1. 設計の問題:誰に・何を届けるのかがあいまい

    • ターゲットが広すぎて「結局誰のため?」と伝わらない
    • 自社の言いたいことだけが並び、ユーザーの悩みが書かれていない
    • 競合との違い(自社ならではの価値)が言語化されていない

    この段階でつまずくと、「読まれているのに選ばれない」「アクセスはあるのに問い合わせがない」といった状態になりやすく、広告やSEOに力を入れても費用対効果が合わなくなります。

  2. 露出の問題:そもそも見つけてもらえていない

    • 検索しても自社名すら出てこない
    • タイトルや見出しにキーワードが入っていない
    • SNS・MEO・口コミサイトなど、他の入口を作っていない

    実務的には、「検索」「SNS」「MEO」「オフライン(QRコード・チラシ)」など複数の入口を組み合わせることが重要です。しかし、多くの中小企業はどれか1つだけに頼っており(多くは放置されたSEO)、露出が極端に弱くなっています。

  3. 転換の問題:来てくれたのに行動してもらえていない

    • 第一印象で「よく分からない」「なんとなく不安」と感じさせている
    • メニューが分かりにくく、問い合わせ・予約ボタンが埋もれている
    • フォームが面倒・情報が足りず、問い合わせ前に離脱されている

    ここは「デザインの好み」の問題ではなく、ユーザーが不安なく一歩踏み出せるかどうかの問題です。CVR(コンバージョン率)を改善するだけで、同じアクセス数でも問い合わせ数を2〜3倍にできるケースも珍しくありません。

この記事では、この3つを「視点1〜3」として順番に見直し方を整理していきます。


視点1:そもそも「誰に・何を」届けるホームページなのか?

ターゲットがあいまいになっていないかを確認する

まず確認したいのは、「このホームページは、誰に向けて作られているのか」という点です。

次のような表現が多い場合は、ターゲットがあいまいになっているサインです。

  • 「みなさまに」
  • 「あらゆるニーズにお応えします」
  • 「どなたでもお気軽に」

一見親切そうな言葉ですが、「自分のことだ」と感じてもらいにくく、結果として誰にも刺さらない文章になりがちです。

ターゲットを見直す際は、次のような点を具体的にイメージして書き出してみてください。

  • 年齢・性別・職業・家族構成などの属性
  • どんな状況で、どんな悩みを抱えているか
  • 何と比較・検討しているか(他社、他サービス、別の手段)

このときのポイントは、「実在しそうな1人の顔が思い浮かぶレベルまで」細かくすることです。中小企業のWeb集客では、大企業のように誰にでも当てはまるメッセージよりも、「自分のことだ」と感じてもらえるニッチな訴求のほうが結果につながりやすくなります。

たとえば「中小企業向けのホームページ制作」であれば、

「創業3〜10年くらいの小さな会社で、ホームページはあるが全く更新できていない社長さん」

といったレベルまで絞り込むと、見せ方・伝え方が一気に変わります。
実際、成功している中小BtoB企業の多くは、「業界特化」「エリア特化」などターゲットを狭めることで、ホームページ経由の問い合わせの質と成約率を高めています。

「自分たちが言いたいこと」だけになっていないかを見直す

多くのホームページは、「会社紹介パンフレットの延長」になっています。

  • 会社の沿革
  • 経営理念
  • 代表挨拶
  • 事業内容の羅列

これらは決して不要ではありませんが、「自分たちが言いたいこと」が中心になりがちです。

一方、訪問者が知りたいのは、次のような「自分ごと」の情報です。

  • 自分の悩みは解決してもらえそうか
  • どんなサービス・商品なのか、メリット・デメリットは何か
  • 価格感・納期・対応範囲はどうか
  • 信頼して任せて大丈夫か

検索ユーザーは「課題解決のための情報」を探しに来ています。検索エンジンも、企業側の都合ではなくユーザーの役に立つコンテンツを評価する方向に進んでいます。その意味でも、「パンフレット的な自己紹介」よりも「悩み別の解決コンテンツ」を優先して配置することが、SEOとユーザー双方にとってプラスになります。

トップページやサービスページの冒頭に、次のような構成で「お客様目線」の情報を置けているか確認してみてください。

  1. どんな人の、どんな悩みを解決するサービスか
  2. その悩みを放置するとどう困るか
  3. 自社ならどう解決できるのか(サービスの特徴)
  4. 実際の事例やお客様の声

ここが会社紹介よりも前に来ているかどうかが、とても重要です。「悩み → 解決策 → 証拠(事例・声)」という順番は、BtoBでも店舗ビジネスでも共通して反応が取りやすい構成です。

3つの質問でペルソナを明確にする

ターゲット像(ペルソナ)を決める際に、細かいプロフィールを作り込みすぎて進まないことがあります。まずは次の3つの質問に答えるだけでも十分です。

  1. その人は、どんな状況であなたのホームページを見ていますか?
    例:仕事の合間にスマホで調べている/引っ越し直前でバタバタしている など
  2. どんな「不安」や「不満」「面倒」を抱えていますか?
    例:業者選びに失敗したくない/料金が分からず不安/誰に相談すればいいか分からない など
  3. ホームページを見た結果、その人はどうなれたら「良かった」と感じますか?
    例:料金と流れが分かり、安心して問い合わせできた/他社との違いが分かり、依頼先を決められた など

これらを紙やドキュメントに書き出し、「その人に向けてトップページを書き直す」と考えてみてください。ペルソナは「一人に向けて書く」くらいがちょうどよく、そのほうが結果的に似た悩みを持つ人たちの心に届きます。

さらに一歩進めるなら、実際の顧客数名をペルソナのモデルとして選び、インタビューしてみるのも有効です。

  • どうやってあなたの会社を知ったか
  • その前にどんなキーワードで検索したか
  • 依頼前にどんな不安があったか

といった生の声は、そのままホームページのコピーやコンテンツの題材として活用できます。

「他社ではなく、あなたを選ぶ理由」は言語化できているか

もうひとつ重要なのが、「なぜ他社ではなく、あなたのサービスを選ぶべきなのか」というポイントです。いわゆる「差別化」と言われる部分ですが、必ずしも他社にない機能や圧倒的な規模が必要という意味ではありません。

たとえば次のような点も、十分な強みになり得ます。

  • 対応エリアが近く、小回りが利く
  • 少人数で融通がきくため、臨機応変に対応できる
  • 特定の業界・業種に特化していて理解が深い
  • 代表者の経歴や価値観が顧客とマッチしている

中小企業の場合、「価格の安さ」で差別化しようとすると疲弊しがちです。それよりも、

  • 「◯◯業界専門で◯◯年」
  • 「◯◯地域で施工実績◯◯件」
  • 「代表が最後まで担当」

といった安心材料・専門性・人柄のほうが、ホームページ経由の成約には効果的です。

ホームページの中で、次のような文章をはっきり書けているか確認してみてください。

  • 「〇〇な方には特に向いているサービスです」
  • 「△△な方には正直おすすめできません」
  • 「当社が選ばれている理由は、この3つです」

これらが書けていない場合、「どこも似たようなことを言っている」サイトのひとつとして埋もれてしまいます。

逆に、「向いていない人」をあえて明示することで、「自分はここに当てはまりそうだ」と感じる見込み客の信頼が高まり、結果としてミスマッチな問い合わせも減らすことができます。


視点2:「ホームページが見つけてもらえていない」問題

指名検索の有無から、まず現状の見られ方を把握する

設計を整えても、「そもそもホームページの存在を知られていない」状態では集客はできません。ここで最初に見るべきなのは、指名検索の有無です。

用語 意味
指名検索 会社名・店舗名・サービス名で検索されること 「〇〇工務店」「△△整体院 名古屋」など

Googleサーチコンソールを導入していれば、「検索パフォーマンス」から自社名での検索回数を確認できます。

自社名での検索がほとんどない場合は、次のようなオフラインやSNS側の課題が考えられます。

  • 既存顧客にホームページの存在を周知していない
  • 名刺・チラシ・看板・SNSなどでURLや名前を十分に露出できていない

「常連さんとの関係性は強いのに、ホームページのURLをほとんど案内していない」というパターンも多く見られます。まずは既存顧客にホームページを知ってもらうだけでも、指名検索と口コミ流入が増え、検索エンジンからの評価もじわじわ上がっていきます。

一方、自社名ではある程度検索されているのに問い合わせが増えない場合は、「来てからの導線と内容(視点3)」の問題である可能性が高くなります。

SEOの基本チェックリスト(タイトル・見出し・キーワード)

「SEO対策」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは次の基本だけでも見直してみてください。

タイトル(titleタグ)

  • 1ページごとに内容を表すタイトルがついているか
  • 狙いたいキーワードが自然な形で含まれているか
  • 30〜35文字前後で、検索結果で途中で切れないか

例:
「ホームページを作ったのに集客できないとお悩みの中小企業さまへ|〇〇制作」

見出し(h1〜h3)

  • ページごとにh1見出しが1つあるか
  • h2、h3で論理的な階層になっているか
  • ユーザーが検索しそうな言葉が見出しの中にも入っているか

本文内のキーワード

  • 「ホームページ 作った 集客できない」など、実際に検索しそうな言葉が自然な形で含まれているか
  • 不自然なキーワードの詰め込みになっていないか

スマホ対応・表示速度

  • スマホで見やすいレイアウトか
  • 画像が重すぎて表示が遅くなっていないか

これらは、すぐにでも自社サイトを開きながらチェックできる部分です。

加えて、可能であれば次の2点も確認すると、より「検索されやすい土台」が整います。

  • 内部リンク

    • 重要ページ(サービス・料金・お問い合わせ)に、他の関連ページからもリンクが張られているか
    • 「こちら」ではなく「◯◯の料金はこちら」のように、リンクテキストにもキーワードが含まれているか
  • 構造化データ・基本設定

    • 会社情報(住所・電話番号・営業時間)の表記に一貫性があるか(サイト・Googleビジネスプロフィール・ポータルで表記ゆれがないか)
    • 常時SSL(https)になっているか

これらは「検索エンジンから見たあなたのサイトの理解しやすさ」に直結し、長期的な自然検索流入の増加につながります。

「ホームページ 作った 集客できない」と検索する人の意図を拾う

この記事の対策キーワードである「ホームページ 作った 集客できない」を例にすると、検索している人の意図はおおむね次のようなものです。

  • ホームページを公開したのに問い合わせが来ない
  • 何が悪いのか原因を知りたい
  • 自分で直せる範囲の改善方法を探している
  • 場合によっては、専門家や制作会社に相談したい

この「検索意図」を踏まえると、ホームページ側では次のようなコンテンツを用意するとマッチしやすくなります。

  • 「ホームページを作ったのに集客できない3つの原因と対策」
  • 「すぐに見直せるSEOと導線のチェックリスト」
  • 「自分で直すべきか、外注すべきかの判断基準」

つまり、「検索窓で入力した悩み」をそのままタイトル・見出し・本文に落とし込み、具体的な解決策を示すことが重要です。

ここで意識したいのは、「1記事で全部を売り込もうとしない」ことです。まずは検索ユーザーの悩みを丁寧に解説し、「もっと詳しく聞きたい」「自社のケースに当てはめて相談したい」と感じた人が問い合わせフォームや資料請求に進める導線を用意しておきます。これが、いわゆるコンテンツマーケティング型の集客導線です。

すぐできる露出アップ施策

検索エンジン(SEO・サーチコンソール)での見直し

最低限、次の2つは必ず行ってください。

  1. Googleサーチコンソールの導入
    自社サイトがどんなキーワードで表示・クリックされているか把握できます。インデックスの状況(検索エンジンに正しく登録されているか)も確認できます。
  2. XMLサイトマップの送信
    サイトマップを作成し、サーチコンソールから送信することで、検索エンジンにページを見つけてもらいやすくします。

あわせて、

  • 重要なページ(トップ・主要サービス・お問い合わせ)には内部リンクを張る
  • 不要な重複ページ・テストページはインデックスさせない

など、検索エンジンから見た「サイトの構造」を整理しておくと効果的です。

さらに一歩踏み込むなら、次のような運用も検討してみてください。

  • GA4(Googleアナリティクス)で「問い合わせ完了」などをコンバージョンとして設定する
  • サーチコンソールで「表示回数は多いのにクリック率が低いキーワード」を洗い出し、タイトルやディスクリプションを改善する

こうした運用により、「どのキーワード・ページから集客できているか」がクリアになり、打ち手の精度が上がります。

SNS・MEO・口コミサイトとの連携で入口を増やす

検索エンジン以外の入口を増やすことも、集客には欠かせません。

  • SNS(X、Instagram、Facebookなど)

    • プロフィール欄にホームページのURLを必ず掲載する
    • 更新したブログ記事の要約を投稿し、サイトへ誘導する
    • お客様の声やビフォーアフター写真を紹介し、詳細はサイトへ誘導する
  • MEO(Googleビジネスプロフィール)

    • 地域ビジネスならほぼ必須です。
    • 営業時間・住所・電話番号・サイトURL・写真などを充実させる
    • 投稿機能でキャンペーン情報やお知らせを発信し、詳細はサイトへ誘導する
  • 口コミサイト・ポータルサイト

    • 食べログ、ホットペッパー、美容系ポータル、不動産ポータルなど
    • プロフィール・店舗情報欄に公式サイトのURLを入れる
    • 口コミを書いてくれたお客様には、お礼とあわせてホームページも案内する

それぞれを単体で完結させず、「最終的な詳しい情報や問い合わせ窓口はホームページに集約する」という設計にしておくと、ホームページが「ハブ」として機能しやすくなります。

ローカルビジネスでは、「MEO+公式サイト」の組み合わせだけで来店数が大きく伸びるケースも多く見られます。MEOで「近くのお店を探している今すぐ客」を拾い、公式サイトでメニューや料金・店内の雰囲気を伝えて安心してもらう、という役割分担です。

オフライン(名刺・チラシ・店舗)からの導線を整える

オフラインの接点からも、ホームページへの動線をしっかり設計しましょう。

  • 名刺にURLだけでなくQRコードを入れる
  • チラシやパンフレットには、「詳しい事例はこちら」「料金一覧はこちら」といったコピーとともにURL・QRコードを掲載する
  • 店舗内のポップ・レシート・会計時のトークなどで、「LINEやホームページからも予約できます」と案内する

「見てもらえれば価値が伝わるホームページ」ができたあとこそ、このような小さな導線づくりが効いてきます。

加えて、セミナー・展示会・イベント出展時に、

  • 配布資料に「セミナー内容の復習資料はホームページからダウンロードできます」と記載する
  • アンケート後のサンクスメールから関連ページに誘導する

といった仕組みを用意すると、オフラインの出会いをオンライン上の継続的な関係づくりにつなげることができます。


視点3:「来てくれたのに問い合わせされない」問題

ホームページの第一印象で損をしていないか

人はホームページを開いて数秒で、「このサイトを読み進めるかどうか」を無意識に判断します。第一印象で次のように感じさせてしまっていないか、チェックしてみてください。

  • 何をしている会社・お店か、ひと目で分からない
  • 古くてスマホで見づらく、「ちゃんとしているのか不安」に感じる
  • 写真が暗い・少ない・サイズがバラバラで雑多な印象がある

トップページのファーストビュー(スクロールせずに見える範囲)で、次の3点がぱっと見で分かることが重要です。

  • 「誰の、どんな悩みを解決するのか」
  • 「そのために何をしているのか(サービスの概要)」
  • 「次に何をすればよいのか(資料請求・予約・お問い合わせなど)」

ここで特にローカルビジネスに効くのが、写真の質です。飲食店・美容院・クリニックなどでは、次のような写真が数点あるだけでも、「ちゃんとしたお店だ」と感じてもらいやすくなります。

  • 店内やスタッフの雰囲気が分かる明るい写真
  • メニューや施術のビフォーアフター
  • 清潔感が伝わる設備の写真

プロカメラマンへの依頼はコストがかかりますが、集客効果を考えると費用対効果が合うケースも多く、外注候補のひとつです。

メニュー構成と導線を「3クリック以内」で設計する

ユーザーは目的の情報にすぐたどり着きたいと考えています。「トップページ → サービス一覧 → 詳細ページ → お問い合わせ」など、主な導線は3クリック以内を目安に設計しましょう。

見直しのポイントは次のとおりです。

  • メインメニューの項目数が多すぎないか(5〜7個程度に絞る)
  • 同じような内容のページがバラバラに散らばっていないか
  • 「サービス」「料金」「事例」「お問い合わせ」など、ユーザーが探しやすい名前になっているか

特に、長年運営してきたサイトほど、「キャンペーンページ」「お知らせ」「サービス追加」のたびにメニューが増え、ユーザーから見ると迷路のようになりがちです。一度すべてのページを洗い出し、「よく見られているページ」「ほとんど見られていないページ」を把握したうえで、思い切って統合・削除するのも有効です。

メニューの見直しが難しい場合は、トップページに次のような導線を作るだけでも改善が期待できます。

  • 「はじめての方へ」「ご利用の流れ」
  • 「人気のサービス」「よくあるご質問」

「迷ったらここを見てください」という道しるべを用意するイメージです。

「何をしてほしいのか」がひと目で分かるCTAを設置する

CTA(Call To Action)は「行動喚起ボタン」のことです。たとえば次のようなボタンやリンクがCTAにあたります。

  • 「無料相談はこちら」
  • 「お問い合わせ(24時間受付)」
  • 「〇〇の資料をダウンロードする」

問い合わせが少ないサイトでは、次のような状態が多く見られます。

  • CTAボタンがページの一番下にしかない
  • デザインが地味で目立たない
  • 「送信」など抽象的な文言になっている

改善のポイントは次の3つです。

  1. 主要なページには、ページの中盤〜最後に少なくとも1つずつCTAを設置する
  2. ボタンの色を背景とコントラストがつく色にする
  3. 「何が起きるか」が分かる文言にする(例:「30秒で問い合わせる」「無料見積もりを依頼する」)

「お客様にとっての次の一歩」を丁寧に案内するつもりでCTAを設計してみてください。

余裕があれば、複数のCTAを用意するのも効果的です。

  • 今すぐ相談したい人向け:「電話・チャット・LINEで相談」
  • まず情報収集したい人向け:「資料ダウンロード」「チェックリストを入手」

このように、「温度感が違う見込み客」に合わせた行動の選択肢を用意すると、問い合わせ全体の母数を増やしやすくなります。

フォームが難しすぎて離脱されていないかを点検する

せっかく「お問い合わせ」ボタンを押してもらえても、フォームが長すぎると途中で離脱されてしまいます。次の点を見直してみてください。

  • 必須項目が多すぎないか(最小限に絞れるか)
  • 電話番号・住所など、本当に最初から必要な情報だけにできないか
  • 入力エラーのメッセージが分かりづらく、ストレスになっていないか

問い合わせのハードルを下げる工夫としては、次のようなものがあります。

  • 「まずはメールアドレスとお名前だけ」で相談を受け付ける
  • 「無料相談予約フォーム」と「本申し込みフォーム」を分ける
  • 電話・LINEなど複数の連絡手段を用意する

また、日本のユーザーは特に「営業されるのでは」という心理的ハードルを感じやすいため、

  • 「※しつこい営業・勧誘は一切いたしません」
  • 「※ご相談だけでも歓迎です」

といった一言をフォームの近くに添えるだけでも、送信率が上がることがあります。

事例・実績・お客様の声で「信頼の壁」を下げる

はじめての会社・お店に問い合わせをするのは、多くの人にとってハードルの高い行動です。そのハードルを下げるのが、「第三者の声」や「実績の見える化」です。

  • 導入事例・施工事例・ビフォーアフター写真
  • お客様の声(顔写真・会社名・属性が分かるとなお良い)
  • 取引実績社数・累計件数・年数
  • 受賞歴・資格・メディア掲載実績

こうした情報を、トップページやサービスページから見やすい場所に配置しましょう。

「自社には大きな実績はない」と感じる場合でも、

  • 小さな成功事例 1〜2件
  • 地域の常連さんの声
  • 店主や担当者の顔写真とプロフィール

といった情報があるだけでも、安心感は大きく変わります。

さらに、よくある質問(FAQ)も「信頼の壁」を下げる強力なコンテンツです。

  • 料金や追加費用に関する懸念
  • キャンセル・返品・保証に関する不安
  • 「自分のケースでも対応してもらえるか?」という疑問

など、問い合わせ前に聞かれがちな内容を先回りして掲載しておくことで、「聞きづらいこと」を解消し、問い合わせへの心理的ハードルを下げられます。


まずどこから直すか:優先順位のつけ方

アクセス解析で「入口」「滞在」「離脱」をざっくり把握する

やみくもに全部を直そうとすると、時間も予算も足りません。まずはGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで、次の3点をざっくり確認してみてください。

  • 入口(どこから来ているか)
    検索なのか、SNSなのか、他サイトからのリンクなのか
  • 滞在(どのページがよく読まれているか)
    トップページ以外でよく見られているページはどれか
  • 離脱(どこで離れてしまっているか)
    直帰率の高いページはどれか/お問い合わせページの前で離脱していないか

この結果から、おおまかに次のような優先順位が見えてきます。

  • 入口がほとんどない → 視点2(露出)の問題
  • 入口はあるがすぐ離脱している → 視点1(ターゲット・メッセージ)の問題
  • 入口も滞在もあるが問い合わせが少ない → 視点3(導線・信頼)の問題

ここで「完璧な分析」を目指す必要はありません。中小企業の現場では、次のようなざっくりとした把握だけでも、次の一手がかなり明確になります。

  • 直帰率が極端に高いページ(80%以上など)をピックアップする
  • 問い合わせ前によく見られているページを洗い出す

小さな改善サイクルを回すためのチェックポイント

改善は、一度で完璧を目指すよりも「小さく試して、数字を見る」ことが大切です。次のようなステップで、1〜2ヶ月単位の改善サイクルを回してみてください。

  1. 改善テーマを1つに絞る
    例:「お問い合わせ数を増やす」「トップページの直帰率を下げる」など
  2. 関連するページ・箇所だけ集中的に直す
    例:CTAボタンの文言と配置を変える/フォーム項目を減らす/トップのキャッチコピーを変更する
  3. 変更前後で数値を比較する
    • ページビュー数
    • 直帰率
    • コンバージョン数(問い合わせ数・予約数など)
  4. 効果があった施策は残し、なかった施策は戻す・別案を試す

「直す → 1〜2週間見る → また直す」というサイクルを回せる体制を作ることが、長期的な集客力につながります。

このとき、現場で更新できる仕組みを作っておくことも重要です。

  • 担当者がCMS(WordPressなど)に直接ログインして更新できるか
  • 更新マニュアルやチェックリストを簡単に用意しているか
  • 月に1回は「数字を見る時間」をスケジュールに入れているか

こうした基本を整えるだけでも、「作って終わり」から「改善し続けるサイト」へと変わっていきます。

外注すべきこと・自社でできることの切り分け方

すべてを自社で対応しようとすると、時間がかかりすぎて前に進まなくなることもあります。次のように切り分けて考えると整理しやすくなります。

外注を検討しやすい部分

  • デザインの大幅なリニューアル
  • サイト構造(情報設計)の見直し
  • 高度なSEO設計・広告運用
  • 撮影(プロによる写真撮影・動画制作)

自社で取り組みやすい部分

  • ターゲット・ペルソナの整理
  • 強み・提供価値の言語化
  • ブログ記事・FAQ・事例紹介の原稿作成
  • お客様の声の依頼・掲載
  • SNSでの発信

「根っこの部分(誰に何を提供するか)」は自社で考え、その上に乗る「技術的・制作的な部分」を必要に応じて外注するイメージです。

また、外注先を選ぶ際には、次のような視点も意識すると良いでしょう。

  • 「作って終わり」ではなく、公開後の集客・改善も一緒に考えてくれるか
  • アクセス解析やサーチコンソールを使ったレポート・提案をしてくれるか
  • 自社で更新できる仕組みづくり(マニュアル・教育)も提案してくれるか

こうした観点で見ると、「集客できるホームページづくり」のパートナーを選びやすくなります。


タイプ別:あなたのホームページがハマりがちなパターン診断

パターンA:きれいだけど誰にも届いていないデザイン重視サイト

  • 写真やアニメーションはきれい
  • しかし、何をしている会社なのかが分かりづらい
  • テキスト情報が少なく、検索にもかからない

【ありがちな原因】

  • 制作時に「ブランド感」や「世界観」を重視しすぎた
  • 制作会社まかせで、ターゲットや検索キーワードの議論をしていない

このタイプは、一見「かっこいいサイト」ですが、検索でもSNSでも拾われにくいため、アクセス自体が少ない傾向があります。BtoCのブランドサイトや採用サイトなどに多く見られるパターンです。

パターンB:情報は多いのに分かりにくいごちゃごちゃサイト

  • ページ数や情報量は多い
  • しかし、メニュー構成が複雑で、どこに何があるか分からない
  • 専門用語が多く、一般の人には理解しづらい

【ありがちな原因】

  • 長年、追加だけしてきて整理していない
  • 社内向けの資料をそのまま掲載してしまっている

このタイプでは、「情報量の多さ=親切さ」と考えがちですが、ユーザー視点では「必要な情報にたどり着けないストレス」になっていることが多いです。その結果、直帰率や離脱率が高くなり、集客・成約の機会を逃してしまいます。

パターンC:アクセスはあるのに全く問い合わせが来ないサイト

  • アクセス解析を見ると、そこそこ人は来ている
  • しかし、お問い合わせや予約にはほとんどつながっていない

【ありがちな原因】

  • CTAやフォームが分かりづらい・使いにくい
  • 料金・実績・お客様の声など、決め手になる情報が足りない
  • 「この会社で大丈夫か」という不安を解消できていない

このパターンは、一見「集客はできている」のですが、コンバージョンが極端に低いため、広告をかけても費用が回収できない状態になりがちです。裏を返せば、CVR改善の余地が大きく、比較的短期間で成果が変わりやすいタイプでもあります。

各パターン別の「最初の一手」改善アイデア

パターンAへの一手

  • トップページのファーストビューに、「誰の・どんな悩みを解決するか」をテキストで明記する
  • 主要サービスごとに、検索されそうなキーワードを含んだページを作る
  • ブログやコラムで「悩み別の解決記事」を少しずつ追加し、テキスト情報を増やす

パターンBへの一手

  • メニューを一度すべて洗い出し、「ユーザー目線で再分類」する
  • 「はじめての方へ」ページを作り、そこから主要ページへ誘導する
  • アクセスが少ないページや古い情報は統合・削除し、「今のビジネス」に沿った構成に整理する

パターンCへの一手

  • お問い合わせボタンの位置・色・文言を見直し、各ページに配置する
  • フォーム項目を見直し、「まずは最小限」で送れるようにする
  • 事例・お客様の声を1〜3件でもよいので追加する
  • 「料金の目安」「依頼〜納品の流れ」を簡単にまとめ、不安を減らす

今日からできる「集客できるホームページ」への3ステップ

ステップ1:ターゲットと提供価値を1枚のシートにまとめる

まずは、視点1でお伝えした内容を1枚のシートに整理しましょう。A4用紙でも、オンラインのドキュメントでも構いません。

最低限、次の項目を書き出してみてください。

  • どんな人に(ターゲット・ペルソナ)
  • どんな状況で(利用シーン・きっかけ)
  • どんな悩み・不安を持っていて
  • 自社はその人に何を提供できるのか(サービス・価値)
  • 他社と比べたときの自社の強み・選ばれる理由

このシートを、今後ホームページの文章を考えるときの「判断基準」にします。制作会社や外注パートナーに依頼するときも、このシートを共有すると話がスムーズになります。

さらに、可能であればこのシートに次の項目もメモしておくと、コンテンツ企画やSEOキーワード選定の土台にもなります。

  • 代表的な検索キーワード(「◯◯ 地域名」「◯◯ 悩み」など)
  • そのキーワードでユーザーが知りたいこと

ステップ2:検索される言葉とコンテンツ案を洗い出す

次に、「そのターゲットが実際に検索窓に打ち込みそうな言葉」をできるだけ多く書き出してみてください。

  • 地域名 + サービス名(例:大阪 ホームページ制作)
  • 悩み・課題 + 解決したいこと(例:ホームページ 作った 集客できない)
  • 比較・検討のキーワード(例:ホームページ 集客 方法 中小企業)

書き出したキーワードごとに、

  • そのキーワードで検索した人は、どんな情報を知りたがっているか
  • 自社として、どんな記事・ページなら価値を提供できるか

を考え、「コンテンツ案」としてリスト化します。

例:

  • 「ホームページを作ったのに集客できないときの3つのチェックポイント」
  • 「中小企業が少ない予算でできるホームページ集客の始め方」
  • 「ホームページ集客で失敗しやすいパターンと改善事例」

すべてを一気に作る必要はありません。まずは1〜2本からで良いので、検索意図にしっかり応えるコンテンツを増やしていきましょう。

余裕があれば、無料のキーワードツールやサーチコンソールを使って、

  • 月間検索数が多すぎず少なすぎない(ニッチすぎない)キーワード
  • すでに自社サイトが表示されているが順位が低いキーワード

を優先して記事化していくと、短期間でもアクセス増を実感しやすくなります。

ステップ3:トップページとお問い合わせ導線から先に改善する

最後に、「最も影響が大きい部分」から手を付けます。

トップページのファーストビューを見直す

  • キャッチコピーを、ターゲットの悩みと解決策が伝わる文言に変更する
  • 「はじめての方へ」「サービス紹介」「お問い合わせ」などの導線を、目立つ位置に配置する

お問い合わせ導線を改善する

  • 各ページからお問い合わせへのリンク・ボタンを設置する
  • フォームの項目を見直し、最小限にする
  • 「まずは相談だけでもOKです」「しつこい営業はいたしません」など、安心して送信できる一言を添える

これだけでも、ホームページの「集客できる準備」は大きく進みます。

そのうえで、月1回でも構いませんので、

  • アクセス数・問い合わせ数
  • よく見られているページ
  • 直帰率の高いページ

を確認しながら、少しずつコンテンツや導線を調整していけば、「ホームページを作ったのに集客できない」状態から、数字を見ながら育てていく「資産としてのホームページ」へと変えていくことができます。

ホームページから集客できない状況には、「設計」「露出」「転換」の3つの視点が重なっていることが多いです。まずは、どんな人のどんな悩みに応えるサイトなのかを言葉に落とし込み、「自分ごと」として読んでもらえる内容へ整えることが第一歩です。そのうえで、検索・SNS・MEO・オフラインなど入口を増やし、「知っている人を増やす」工夫を重ねていきましょう。

さらに、来てくれた人が迷わず行動できる導線づくりと、事例やお客様の声による不安の解消が欠かせません。全部を一度に変える必要はありません。トップページとお問い合わせ周りから優先的に手を入れ、「直す → 数字を見る → また直す」という小さな改善サイクルを続けていけば、ホームページは「作っただけの場所」から、ビジネスを支える営業窓口へと育っていきます。

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この記事を書いた人

Webマーケティング業界10年以上のフリーランス。
「低コストでも、効果のあるWebマーケティング」をご提供することをモットーに、多岐にわたる業種の会社さまのご支援を行っております。
※2025年1月に法人化しました。